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【就活者向け】25年働いてきたスーパーの労働環境【マジ話です】

スーパーの環境

就活中の学生

スーパーへの就職を考えています。スーパーの仕事はキツイってよく聞くんですけど、具体的なことがよく分かりません。なにが辛いですか?

こんな質問にお答えします。

 

◆本記事の内容
  • 25年働いてきたスーパーの労働環境
  • 25年働いてきたスーパーで辛かったこと3選【社員編】
 
◆読んでほしい人
  • これからスーパーに就職を考えている人
  • 現在スーパーで働く1年目~3年目の人
  • スーパーの仕事に疑問を感じてきた人

 

◆本記事の信頼性

この記事を書いている私は、東証一部大手スーパー(売上は日本でベスト5入)勤務歴25年、管理職歴(副店長・店長)は5年です。小売業界で長く働いた経験をふまえ、理屈や理論ではなく実践に役立つ解説をします。

 

◆本記事でわかること

本記事を読み終えると「スーパーの具体的な現場」がわかります。
今回は、就職・転職者向けの「25年働いてきたスーパーの労働環境」を本音で解説します。

私自身、大手スーパーで長く働き、管理職としても勤務していたので参考になるはずです。

 

  • スーパーはキツイから止めとけ!
  • スーパーはブラックだぞ!

よく聞きますね。でも全く否定はしません。

強いて言うなら、「スーパーはブラックではなく、ブラックなスーパーや人もいる」かな。

 

スーパー以外で働いたことがなく比べようもないので、私が体験したことはキツイことなのか、辛いことなのか、ブラックな業界なのか、どこの業界、企業にもある話なのか?

みなさんの判断におまかせしようと思います。

 

結論、スーパーで働くにおいては下記が重要です。

  • スーパーが楽じゃないのはたしか
  • 辛い、キツイは本人の価値観しだい
  • スーパーを辞めるなら早いほうがいい

 

順を追って解説します。

 

スーパーの現実を知りたい方にわかりやすく解説します。

最後まで読んでみてください。

 

スーパーで働くメリットはないの?という方は、「【25年勤務の元店長が教える】スーパーで働くメリット4つ」をご覧ください。

 

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25年働いてきたスーパーの労働環境【業界編】

 

このセクションでは、新入社員時代から店長になるまでずっと変わらなった労働条件と環境についてお話します。

 

業界として共通の環境になります。

 

  • 労働時間が長い
  • 土日連休やGW・お盆・年末年始の長期休暇はない
  • 有給を取ると迷惑がかかる
  • 休日も仕事で店に行くことがある
  • 給料・ボーナスに売上高・利益率は関係ない
  • 転勤が多い
  • 荷物を運ぶので体の故障が多い
  • 人との関わり合いが多くて複雑

順番に解説します。

 

労働時間が長い

 

1日14時間前後の拘束時間でした。

 

お客様相手の商売、営業時間も24時までが多く、24時間スーパーもあるからです。

 

たとえば、

勤務時間だと平均朝6時~夜8時までです。一番早くて、朝4時もありましたし、早朝から深夜2時までの日もありました。開店は9時ですが、それまでに昨日の売場から品出しをして補充しなければいけないので、これにすごく時間がかかります。

 

<開店までの流れ>

データ・メール➡商品搬入➡荷降ろし➡仕分け➡レイアウト変更・POP➡品出し・加工➡片付け➡掃除➡開店

パート・アルバイトさんが出勤してくるのは8時から、開店まで1時間しかありません。なのでそこまでに段取りをつけるため、社員がかなり早出してるわけです。

 

遅番社員も基本的にやることは同じです。

午後3時前後に出勤して24時閉店の場合は、25時~26時までの勤務になりますので鍵閉めをして帰ることになります。

haru
haru

とにかく開店までの3時間が鬼のように忙しいです。開店時の売場の仕上がり具合で、その後の段取りにも影響しますね。

 

土日連休やGW・お盆・年末年始の長期休暇はない

 

小売業・サービス業の宿命ですね。

 

国民の休日、長期休暇中が一番忙しい「稼ぎ時」だからです。

  • GW・・・4月29日~5月5日
  • お盆・・・8月10~15日
  • クリスマス・・・12月23~25日
  • 年末年始・・・12月28日~1月3日

特に、お盆、年末は客数も倍近く増えますので、全員出席にする必要があります。

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長期休暇がないだけで、休みは途中入るので心配しないで下さい。

 

有給を取ると迷惑がかかる

 

店舗の人員は最小限で運営しています。

 

社員も各部門に2人チーフとサブ、大きい店でも4人ですが数店舗です。交代で休みをとり、どちらか社員1人は必ず出勤するようになります。両方出勤は問題ないですが、両方休みということは原則できません。

 

たとえば

有給を取って長期休暇をすればその間、相方はずっと一人で早朝から5~7日連勤することになります。これは私も経験ありますが非常に体力的にキツイです。

通常、休みのとり方は3日仕事して1日休み、2日仕事して1日休みのリズムです。スーパーの仕事は体力を使うので、逆に5日連勤の2日連休ではキツイのです。

会社から5連続や7連続の有給消化を強制されますが、まともに取ると相方に迷惑がかかるので、25年で連続5日以上取ったのは2回だけでした。

haru
haru

これは私だけではなく、店舗社員はどの店も同じ傾向でした。でも本社の社員は比較的取りやすかったみたいですね。

 

休日も仕事で店に行くことがある

 

休日出勤という丸一日ではなく、午前中だけのフォローで行ってました。

 

どんな場合かというと

  • どうしても朝、人員が足りない日
  • おえらいさんが視察に来る
  • 繁忙期の発注・売場作り
  • 監査が入る

つまり、見た目を良くするためです。

 

売場って、「見せもん」なので体裁よく、見た目よくなってないとそれだけで評価につながるし、おえらいさんの逆鱗にも触れてしまうんです。そういう経験も話も聞いているので必死です。

なので、前日夜遅くまで品出しして、翌朝も早く来て品出ししてました。

で、結局来なかったり…売場で死ぬほど怒られたりしてました。

haru
haru

誰のために仕事してるのかと…いつも思ってましたね。

 

給料・ボーナスに売上高・利益率は関係ない

 

売上の高い店も低い店も金額自体は、評価になりません。

 

なぜなら、予算の達成率で評価されるので予算に対しての貢献度という評価になります。

 

たとえば、

年間30億の売上で予算達成が99.7%より、年間10億でも達成率100.3%の方がボーナス査定は高くなります。営業利益についても同様です。高ではなく達成率です。

ですから、予算が最初から達成しないような金額や競合店ができた店舗に異動になるかどうかである程度評価は決まってしまいます。

haru
haru

異動先の店舗の予算や競合店の状況しだいで評価が決まるので、この辺は運もありますね。

 

転勤が多い

 

2~3年で異動が一番多いと思います。

 

最短で3ヶ月という店もありましたが、3年以上同じ店にいたこともありません。長く勤めれば必然的に転勤回数も増えます。

 

転勤させる理由は、「癒着を防ぐ」と「活性化のため」というのが一般的です。

長い間、同じ人が担当して馴れ合いになり、犯罪につながるのを防ぎ、業績向上のため活性化したいと考えています。

しかし、それは建前としての理由です。

 

本音は、店舗ごとの「業績格差」を減らしたいからです。

落ちこぼれの店を作らないため、もしくは落ちこぼれの店舗をなくすためです。

 

たとえば、

売上が低迷していたり、赤字が続いていた場合は、店長を入れ替えたり降格にして活性化をはかります。特定の部門をテコ入れしたい場合も、チーフを入れ替えます。

転勤をさせてもらえないのも問題です。定期的に2~3年で異動させてもらうのが店にとっても自分にとってもリフレッシュできると思います。

haru
haru

転勤したくない人もいると思いますが、メリットもあります。前向きにとらえれば仕事も楽しくなりますよ。

転勤のメリットについては、20回以上の転勤経験者が教える「転勤のメリット」4選で詳しく解説しています。

 

荷物を運ぶので体の故障が多い

 

全身を使って仕事するので生傷や痛みは絶えません。

軽いものは1kg以下、重いもので20kg以上の商品を数百~千箱を毎日荷下ろしして品出ししているからです。

 

たとえば、

  • 脚(足首・ひざ)
  • 腰(ぎっくり腰)
  • 手(手首のけんしょう炎・手荒れ)
  • 腕(ひっかき傷)
  • 肩(肩こり)

肩・腰はもちろんですが、手首も高いところから下ろすときに負担がかかります。手荒れは段ボールでやられますし、箱の留め金で腕をひっかいて傷つけます。

本当に体力勝負なので、丈夫じゃないと続けられません。

haru
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ギフトシーズンは特に重くて、油、醤油、ビールなどの液体物は根性入れて持たないと腰が折れますマジで。

 

人との関わり合いが多くて複雑

 

社員1割、アルバイト9割です。

 

しかも、ほとんど女性で下は高校生から上はシニアの60代までいます。区分も社員、パートナー社員、アルバイト、学生バイト、シニアアルバイト、派遣社員と6つあります。

 

男性社会の中に女性がいるのではなく、女性中心の世界で男性が統括しています。

新入社員といえども、社員ですからパートナー以下全アルバイトと連携してチームで部門の運営をしなければなりません。自分より仕事のできる学生バイトや母親と同じかそれ以上の年齢の人と一緒に仕事することになります。

コミュニケーション能力で差がでるところです。人との会話や指示命令ができない、苦手な人は苦労すると思います。

haru
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スーパーの仕事は部門対抗の団体競技です。その総合得点が店の売上になります。

 

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25年働いてきたスーパーで辛かったこと3選【社員編】

 

このセクションでは、一般社員時代の辛かったことを3つお話します。

  • 1年目は毎日パワハラだった
  • サービス残業は当たり前だった
  • 社員1人の店で2年間ほとんど休みがなかった

順番に解説します。

 

1年目は毎日パワハラだった

 

体を使う仕事なので、理屈より動き方とスピードを求められました。

25年前、その当時はまだパワハラなんて言葉も知らなかった時代です。世の中も「体育会系」って言葉で片付けていました。今なら全員クビでしょうね。

教育システムがずさんで、機能してなかったので教える方も乱暴だしマニュアルもなかったので、怒鳴られる、怒られる、脅される、物が飛んでくるという教え方でした。

 

「大学出たのに、なんでこんなこともできねーんだ?」と言われたこともありました。

大学出るとなんでスーパーの仕事ができるんだ?荷降ろしのやり方、品出しの仕方なんて大学で教わるわけないだろと思いましたね。

 

これでも、東証一部上場企業なんですけどね。

 

教えている本人もかつて、パワハラを受けて育ってきているので、代々パワハラによって下のものに教えていく会社だったんです。

外から見ていたクリーンな企業イメージは実際入って働いてみると、こんな人間の集まりか…とがっかりしましたね。

現在は、新入社員へ基本的なことを教える社内研修やスクールが開校しているので、私のような経験をすることはありませんし、当時の人間もいません。

 

サービス残業当たり前だった

 

新入社員の頃は、時間管理なんてテキトーでした。

 

開店は10時だったので、8時からのシフトでも、7時前に出勤して仕事始めてました。タイムスキャンもしたりしなかったり、帰りも先輩の指示があるまで帰れないので、気の済むまでやらされてましたね。

契約時間とか、残業という概念はなかったです。サービス残業をしている感覚もなかったですね。とにかく、目の前の仕事を早く終わらせて帰りたい一心でやってました。

 

ここ数年ですよ、サービス残業撲滅とか働き方改革とか言い出して、会社もきっちり時間管理をやりだしたのは…。

  • 残業は30時間以内(36協定遵守)
  • サービス残業させた場合は、処罰の対象
  • タイムスキャンのごまかしもご法度
  • スキャン忘れは3回まで

管理者である店長、副店長、主任の監督責任を科すようになりました。

こうなるまで20年かかりました。

 

スーパーという業界は、サービス残業を黙認して働いた付加価値で売上と利益を上げ成長してきた産業だということです。

 

社員1人体制で2年間ほとんど休みがなかった

 

赤字で売上も少ない小商圏店舗だったため社員を減らされたためです。

 

最低でも2人いないと運営できないシステムになっていますが、売上も客数も一向に見込みが立たないため、人件費削減のため最低人員の社員まで削ってしまったわけです。

そんな店つぶせばいいと思うでしょうが、そう簡単ではありません。かつて地元と共同で出資して建てたショッピングモールのため、潰すこともできず、契約も残っているため撤退もできませんでした。

することと言えば、赤字を最小限に留めることぐらい。

 

そういう店に運悪く当たってしまったために、2年間は丸一日休みはほとんどありませんでした。

休みの日でも、毎朝店に行って、荷下ろしして売場作って発注して帰ってました。もうそうするしか方法がなかったですね。
誰も助けてくれないし、応援もないですからね。
 

それでも会社は知ってて黙認してました。会社もそうするしかなったんでしょう。いまは絶対できませんし、もうその店もなくなりました。

 

誰かがやらねば…それだけでした。

 

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まとめ:25年働いてきたスーパーの労働環境のまとめ

 

今回は「【就活者向け】25年働いてきたスーパーの労働環境」と題して自分が経験してきたスーパーの労働環境についてお話してきました。

100%事実であり、それ以上でもそれ以下でもないです。

 

最初にお話した通り、今回の内容がキツイことなのか、辛いことなのか、ブラックなことなのか、どこの業界、企業にもある話なのかは、みなさんの判断におまかせします。

 

たとえば、

「どこにでもよくある話で、大したことない俺の方がもっとひどかった」というなら、その程度の話ですし、「いや~こんな会社もスーパーもムリ!3日ともたない、自分ならすぐ辞める」というならやめたほうがいいと思います。

20年以上前の話もありましたが、現在も変わらず続く小売業のシステムと労働環境は、お話してきた通りです。

現実を知らずに就職だけは絶対して欲しくありません。

 

これからスーパー、小売業界への就職を考えている人に少しでも参考になれば幸いです。

今回は以上です。

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