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【就活者向け】スーパーはブラックなのか?元店長が解説します。

スーパーの環境

就活中の大学生

スーパーに就職を考えてますが、スーパーはブラックだと聞きました。実際はどうなんですか?ブラック企業に入らない方法も知りたいです。

こんな悩みにお答えします。

 

◆本記事の内容

  • スーパーは本当にブラック企業なのか検証する
  • ブラック企業を見抜くための行動とは

 

◆読んでほしい人

  • 小売業に就職を考えている
  • ブラック企業の噂を聞いて心配
  • 知人から小売業の就職を止められた
  • 小売業への就職に疑問を感じてきた

 

◆本記事の信頼性

この記事を書いている私は、

  • 東証一部大手スーパー勤務歴25年
  • 管理職歴(副店長・店長)5年

理屈や理論だけでなく、現場で使える解説をしていきます。

 

◆本記事でわかること

本記事を読み終えると「スーパーの実態」がわかります。
今回は、就活者向けに「スーパーは本当にブラックなのか」を解説します。

 

私自身、25年間大手スーパーで勤務してきたので、経験に基づいてご紹介します。

 

最後まで読んでみてください。

 

ということで、先に結論をお話します。

 

◆結論

  • スーパーは全国に1800社を超える企業があり、業界をひとくくりにブラックと決めつけることには、そもそも無理がある。
  • スーパー業界はブラックではなく、ブラックなスーパーがある。
  • ネットの情報に振り回されず、自分の目と耳と脚で情報をつかむ。

上記の通りです。

 

まずは、スーパーがブラックといわれてしまう原因を検証するところからはじめます。

 

この記事を読むことで、「スーパーは本当にブラック企業なのかの真実とブラック企業に入らないための行動の仕方」までを学ぶことができます。

 

25年も働いた場所ですし、人間的にも成長させてくれたのがスーパーでした。

現在は辞めていますので気を使うことなく、本音で記事を書きます。

 

◆ブラックなスーパーに就職しないための方法については、こちらをどうぞ。
※【就活生必見】ブラックなスーパーを見抜け!やるべき行動を解説

 

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スーパーは本当にブラック企業なのか検証する

スーパーがブラックといわれる代表的な原因5つを検証していきます。

検証①:長時間労働
検証②:残業が多い
検証③:転勤が多い
検証④:土日祭日が休めない
検証⑤:時給が低い、給料が安い

上記ですね。

 

ひとつずつ解説していきます。

 

検証①:長時間労働

 

スーパーは、深夜12時まで営業しているから早朝から閉店まで働いてるって聞いたんですけど実際はどうなんですか?

 

Ans.
いいえ、シフト制で早番、遅番体制になっているので原則ありません。
遅番のシフトも夜7時くらいまで、レジも夜9時から深夜スタッフと交代します。ひとりが朝から閉店までいることはありません。
 
しかも、スーパー(小売業)の労働時間は、他業種と比べても特に多くはありません。
 

 

厚生労働省の統計調査を見て下さい。

出典資料:「弁護士法人東京新宿法律事務所 そこが知りたい!残業代請求コラム」

 

このグラフを見てもわかるように、小売業が長時間労働という根拠はありません。

小売業の場合はパートタイマーの比率が他業種より多いため、総労働時間が少なくなっています。

しかし、それを差し引いてもスーパーだけが長時間労働ということはありません。

 

検証②:残業が多い

 

人手不足のスーパーだから、残業は多いんじゃないですか?

 

Ans.
労働基準法第36条、通称36(サブロク)協定があり、「1ヶ月45時間、1年で360時間」の残業の規制があります。
規制を超えて働かされることのないよう法律で定めれています。
 
企業が労働者との間に、この36協定を結んでいるかどうかです。
 
労働基準監督署へ届出せず、法定労働時間を超えて労働させると「労働基準法違反」になるからです。

 

小売業の残業の実態

内閣府ホームページから、2016年産業別の残業時間です。

 

 

 

このグラフもパートタイマーが含まれているので、小売業は残業が少ないようにみえます。

しかし正社員は、36協定ぎりぎりまで残業しているので、毎月30時間くらいは発生しています。

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36協定を結んでいるかどうかと残業代がきちんと支払われているかが重要です。

 

36協定は結ばれているか

下の表は、どれくらいの企業が36協定を結んでいるかの割合を示したものです。

 

36協定を結んでいるのは全体の約55%ですから半分は協定なしの事業所があるということです。

特別条項付き36協定においては、全体で約22%、中小企業では11.3%しかありません。

特別条項付き36協定とは、繁忙期などで通常の36協定の限度を超える労働が必要になった時、「特別条項付き36協定」の届け出をしていれば、さらに延長時間の設定ができる制度です。

但し、これも上限があります。

 

例えば、8月のお盆、12月クリスマス・年末、1月年始あたりが該当します。

<36協定のポイント>

  • 36協定なし → 
    法定労働時間(1日8時間・1週間で40時間)が上限
  • 36協定あり → 
    1ヶ月45時間・1年360時間が上限
  • 特別条項付き → 
    さらに延長時間の設定ができる。但し上限あり

つまり、36協定を結んでいないのに、時間外労働をさせるのは、法律違反になります。

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haru

この36協定の有無が、ブラック企業かどうかのひとつの基準といってもいいですね。

 

検証③:転勤が多い

 

転勤が多いとよく聞きますが、どれくらいあるんですか?

 

Ans.
部署によって違います。

※1年未満の異動もまれにありますが、他店で急な欠員や新店舗開店の場合です。

 

  • 本社勤務(商品部バイヤー・人事、広報など) → 基本転勤ない
  • 店舗勤務(店長・副店長・各部社員) → 2~3年ごとに転勤

2~3年に1回くらいと考えてください。

 

正直いうと、多いの基準がわからないので、回数を気にしているならサラリーマンには向いてないかもしれません。

転勤の回数や間隔が多くなるかどうかは、半分は自分の仕事しだいだからです。

 

転勤の回数や場所も気になると思いますが、転勤できないのも問題です。

転勤できるから、リフレッシュできるし、新しい仲間との出会いがあります。

いい方向にとらえたほうがいいですね。

苦手だなと思う人がいても、2年もすれば転勤になります。

 

◆あなたは、どんな将来を描いていますか?

地元の企業で大きな転勤せずに働くか、全国展開の企業で日本中を渡り歩くか、世界規模の企業で海外進出するか、工場内勤務で生涯終えるかは、あなたのビジョンしだいです。

haru
haru

転勤の回数でブラックかどうかを判断するのは、危険ですね。

 

検証④:土日祭日が休めない

 

小売業だからやっぱり土日は休めないですよね?

Ans.
はい、毎週土日休みということはありませんが、月に8回ある土日を交代でとっています。
毎週土日休みはありませんが、毎週土日出勤ということもありません。
 
GWやお盆、クリスマス、年末年始などのイベント時も交代で休みをとっているので、期間中すべて出勤ということはありません。
 
 
逆に、全員出勤にしたい日があります。
 
 

例えば、

 
12月24日、12月31日などは1年でも超繁忙日になるので全員出勤をお願いしています。

通常の売上の2倍から3倍にもなりますので全員出勤でも足りないくらいです。

当然、残業も長くなるので、先程の「条項付き36協定」が必要になるんです。

haru
haru

GWは国内旅行、お盆は帰省、年末年始はハワイへ毎年行きたいという方は、そもそも選ぶ業種を間違えてますから見直して下さい。

 

検証⑤:給料が安い

 

アルバイトさんの時給が低いと聞いたことありますが、社員の年収も低いんですか?

Ans.
高いとはいえませんが、低くすぎると思ったこともないです。
自分が目指す生活スタイルと合わせて考える必要があります。
 
私は都内に住んでいないので、マイホームを建て子供も2人いて、車も乗ってというごく普通の暮らしができたので、不便は感じませんでした。
 

都内のマンションに住み、高級車に乗って週末は外食、服はブランドのような暮らしを望んでいるならまずムリでしょう。

haru
haru

何回もいいますが、選ぶ業種を間違ってます。

 
参考までに、下の図は業種別の平均年収です。

 
 
小売業は、下から数えて3番目です。
 

408万円という金額は、自分の場合入社3年目にはもらっていましたから、勤続年数と昇格で全然変わります。

 

先程の36協定に合わせて「残業代が全額支払われているか」も大事なポイントです。

haru
haru

私が勤めていたスーパーは残業代はやった分は全額支払われていましたので、その点も入社前に十分確認すべきですね。

 
◆大手スーパーで働くメッリトについて知りたい方はこちらをどうぞ。
※【就活者向け】大手スーパーで働くメリット4選を元店長が解説!
 
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ブラックなスーパーを見抜くための行動

 

ブラック企業に入らないために、何をすればいいですか?

 

Ans. 

  • ネットの情報に振り回されない。
  • 自分の目と耳と脚で情報を集める。
上記の通りです。
 
 
順番にみていきましょう。
 

ネットの情報に振り回されない

記事を書いている人の経歴を確認します。
 

 

見るべきポイント

  • 業界での経験はあるか?
  • 経験はどれくらいか?
  • どんな職種を経験してきたか?
  • どのようなスーパーでの経験か?
これくらいは確認してから読んで下さい。
 
全く経験がないのに、聞いた話や一般論だけでまとめた記事や経験があっても数ヶ月や半年、1年といった短期間での経験で書いている記事もあります。
 
記事が、零細・中小・東証一部上場「どんなスーパーで働いた経験をもとに書かれているのか」は重要なポイントです。
 
プロフィールはよく確認して下さい。
 
 

自分の目と耳と脚で情報を集める

実際に自分が動いて確かめましょう。
 
 

◆行動のポイント

  • 気になるスーパーの支店を最低3店舗は見て回る。
  • 開店時、夕方ピーク時、閉店時の3つの時間帯に分けて見る。
  • 従業員がどんな作業をしているか?
  • 何時まで仕事しているか?(どんな勤務体系か)
  • 店の雰囲気、従業員の雰囲気や表情はどうか?
  • 各店舗の社員に、就活中であることを伝え、会社や仕事について話しを聞く。
  • 聞いた内容と面接(会社説明会)の内容に違いはあるか?
  • 気になったことは質問し、答えられない、曖昧な返事ならやめたほうがいい。
 
最低限やってほしいことです。
 
社員へのインタビューは絶対にやるべきです。
 

複数の社員にインタビューすることで情報を確かなものにします。

 
面接や会社説明会でだまされないためです。
 
こちらの会社に就職を考えていることと、現場の方のお話を聞きたい旨を伝え、機会を頂きましょう。もちろん、その時の従業員の対応もよく確認してください。
 
やらずに就職すると、入ってから「ブラックだった」ってことになります。
 
haru
haru

もう一度いいます、自分の目と耳と脚で情報を集めてください。

 
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まとめ

いいかがだったでしょうか?
 
スーパーに対する誤解は解けたでしょうか。
 
おさらいします。
 

◆結論

  • スーパーは全国に1800社を超える企業があり、業界をひとくくりにブラックと決めつけることには、そもそも無理がある。
  • スーパー業界はブラックではなく、ブラックなスーパーがある。
  • ネットの情報に振り回されず、自分の目と耳と脚で情報をつかむ。

上記の通りです。

 
今回は、「大手スーパーマーケット」の話しなので、あなたが考えているスーパーと同じかどうかはわかりません。
 
だからといって、業界をひとくくりにしてブラックと決めてしまうことには大変無理があります。
 
零細、中小のスーパーもたくさんあるので、この限りではないでしょう。
 
だからこそ、自分の目と耳と脚を使って確かめて欲しいのです。
 
その上で納得して就職して下さい。

 

「スーパーはブラック業界ではありません、ブラックなスーパーがあるのです」
 
きちんと見極めて入りましょう。
 
 
今回は以上になります。
 
 
 
読めば読むほど、「スーパーは自分にあわないな…」と感じた方は下記の記事をどうぞ。
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