管理職の仕事資格

【厳選】食品小売業の現場で本当に必要な資格4選

管理職の仕事

食品の販売を希望する人

将来、食品を扱う百貨店やスーパーで働きたいと思っています。入社後には、どんな資格が必要になりますか?

 

こんな疑問にお答えします。

 

 

本記事の内容

【厳選】食品小売業の現場で本当に必要な資格4選

 

読んでほしい人

  • 小売業の就職を希望している
  • 店長を目指している
  • 小売業に転職を考えている

 

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、

  • 東証一部大手スーパー勤務歴25年
  • 管理職歴(副店長・店長)5年

本当に現場で使える解説をしていきます。

 

本記事でわかること

本記事を読み終えると「現場で本当に必要な資格」がわかります。

今回は、「食品小売業で働くため本当に必要な資格4選」を解説します。

haru
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本当に現場で必要な資格だけ、ご紹介します。

 

最後まで読んでみてください。

 

◆店長になるための条件について知りたい方はこちらをどうぞ。
※【元店長解説】スーパーの店長になる人材の絶対条件5選

 

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食品小売業の現場で本当に必要な資格4選

 

働く業種や立場によって、求められる資格は変わります。

 

弁護士や医者のように資格がなければ働けないものから、資格がないとお店を開くことも営業することもできない場合もあります。

つまり、資格や免許が法律で決められているからです。

 

これとは別に資格を持っていることで、就職に有利になる場合やお客様への高品質なサービスと技術を提供のために、取得する人もいるでしょう。

 

今回は食品小売業で働くために、法律上必要な資格を4つをご紹介します。

 

 

現場で本当に必要な資格4選

  • 第二種衛生管理者
  • 甲種防火管理者
  • 食品衛生責任者
  • 酒類販売管理者

 

順番に解説します。

 

 

第二種衛生管理者

 

常時50人以上の従業員を使用する職場において、その業種にかかわらず、すべての業種で衛生管理者を選任する必要があり、小売業も対象になるからです。

 

衛生管理者とは

 

「衛生管理者」とは、事業場において、衛生管理者免許(国家資格)を指します。

 

厚生労働省のホームページに以下の記述があります。

衛生管理者とは何か?

衛生管理者とは何か?

出典元:厚生労働省「衛生管理者について教えて下さい」

 

「労働者の健康障害を防止するため、事業場専属の衛生管理者を選任しなさい」とあります。

 

小売業において、衛生管理者に選任されるのは、

  • 店舗管理者
  • 所属長
  • 店長
  • 副店長

現実的には、上記の通りです。

 

必要な衛生管理者数は?

 

労働安全衛生法第12条により、労働者50名以上の事業場には最低1名の衛生管理者を置く必要があります。

労働者50人以下の場合は、安全衛生推進者/衛生推進者を選任する義務があります。

事業規模と必要な衛生管理者数

事業規模と必要な衛生管理者数

出典元: 一般財団法人安全衛生普及センター「衛生管理者(第1種・第2種)とは」

 

衛生管理者の役目とは

 

  • 職場における労働者の健康障害を防止
  • 週1回の職場巡視、職場内の健康異常者の発見及び処置
  • 安全衛生教育及び健康診断の実施のための企画立案

上記の通りです。

 

週に1度ミーティングの時に、「安全衛生委員会」を開き議事録をとっていませんか?

  • 作業場内で危険なところはないか
  • 器具備品で破損・故障はないか
  • 通勤途中に交通事故や災害にあってないか

など、部門のリーダーが報告しているはずです。

この「安全衛生委員会」の議事進行と議事録の作成が衛生管理者の役目なのです。

 

役割の内容を見ても、一般社員ではなく、店舗管理者が適任であることがわかります。

 

もし、衛生管理者がいなかったら?

 

労働安全衛生法第12条により、すべての業種の事業場において選任する義務があり、 選任義務を怠ると、同法第120条により50万円以下の罰金に処されます。

「事業場」とは、同じ会社であっても、店舗ごとに1事業場となります。つまり、その店舗や職場で実際働いている人の中から選ぶということです。

 

衛生管理者は専属でなければならず、他の事業場との兼任はできないからです。

 

第一種と第二種の違いは?

 

衛生管理者には、第一種と第二種があり、業種によって区分を指定されています。

衛生管理者の業種区分

衛生管理者の業種区分

出典元: 一般財団法人安全衛生普及センター「安全衛生推進者・衛生推進者とは」

 

業種の区分について

第一種衛生管理者は、すべての業種の事業場において衛生管理者となることができます。
第二種衛生管理者は、有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場においてのみ、衛生管理者となることができます。

スーパー、百貨店、ドラッグストア等は第二種衛生管理者で十分です。

 

衛生管理者免許取得に関する概要

 

衛生管理者は第一種、第二種共に国家資格です。

第一種・第二種衛生管理者免許は、財団法人安全衛生技術試験協会が開催する試験に合格することで取得できます。試験会場は、全国7か所の安全衛生技術センターで定期的に実施されています。

 

受験資格

受験には以下のいずれかの条件を満たすことが必要です。

  • 大学(短期大学を含む)又は高等専門学校を卒業し、1年以上労働衛生の実務に従事した者
  • 高等学校又は中等教育学校を卒業し、3年以上労働衛生の実務に従事した者
  • 10年以上労働衛生の実務に従事した者

 

甲種防火管理者

 

防火管理者は、消防法の定める国家資格です。

防火対象物(各事業場)の防火上の管理・予防・消防活動を行なう者であり、その管理・予防・消防活動を行なう者を防火管理者として選任しなければならないからです。

 

甲種防火管理者とは

 

防火対象物において防火上必要な業務を適切に遂行でき、従業員を管理・監督・統括できる地位にある者で、防火対象物の管理権原者から選任されて、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者を言います。

 

甲種乙種に分類されます。

防火対象物と防火対象物の資格区分

防火対象物と防火対象物の資格区分

出典元:東京消防庁「防火管理講習とは」

 

甲種防火管理者の防火対象物

【例】

  • 不特定の人が出入りする建物(映画館・病院・複合商業ビルなどの特定防火対象物)で、収容人員が30人以上、かつ延べ床面積が300平方メートル以上の建物
  • 特定の人が出入りする建物で、収容人員が50人以上、かつ延べ床面積が500平方メートル以上の建物
  • 特別養護老人ホーム・グループホーム・障害者支援施設などの福祉施設で、延べ床面積に関係なく収容人員が10人以上の建物

 

百貨店、スーパー、ドラッグストア等のマーケットその他物品販売業を営む店舗は特定防火対象物になります。

 

防火管理者資格を取得するには

 

試験ではなく、講習を受けます。

 

講習実施者

  • 都道府県知事
  • 消防本部及び消防署を置く市町村の消防長
  • 総務大臣登録講習機関((一財)日本防火・防災協会等)

 

講習内容

防火管理講習内容

防火管理講習内容

出典元:(一財)日本防火・防災協会「防火管理講習」

 

講習の最後に、効果測定(小テスト)がありますが、真面目に講義を聴いていればできる内容です。

 

食品衛生責任者

 

 食品営業を行う場合、許可施設ごとに食品衛生責任者を置く必要があるからです。

 

食品衛生責任者の役割とは

 

食品衛生法により、
食品関係営業を行う場合、次のとおり食品衛生責任者の設置と義務が定められています。
(食品衛生法施行条例別表第一「公衆衛生上講ずべき措置の基準」より抜粋)

 

  • 営業者は、許可施設ごとに自ら食品衛生に関する責任者となるか、又は当該施設における従事者のうちから食品衛生責任者1名を定めて置かなければならない。
  • 食品衛生責任者は、営業者の指示に従い食品衛生上の管理運営に当たるものとする。
  • 食品衛生責任者は、食品衛生上の危害の発生を防止するための措置が必要な場合は、営業者に対して改善を進言し、その促進を図らなければならない。
  • 食品衛生責任者は、法令の改廃等に留意し、違反行為のないように努めなければならない。

 

食品衛生管理者になるには

 

試験ではなく、講習の受講になります。

保健所長が行う講習又は知事が指定した講習を保健所長の指示に基づき受講し、講習会受講後に修了証書が交付されます。

 

講習会は予約制で、3ヶ月先まで満員で締め切られている場合もあります。早めに各都道府県の食品衛生協会等に問い合わせてください。

 

酒類販売管理者

 

販売場でお酒を取扱う責任者です。

酒類は、致酔性などの特性を有する飲料です。酒類小売業者には、酒類の適正な販売管理を行い、20歳未満の者の飲酒防止と社会的な要請に適切に対応することが求められているからです。

 

酒類販売管理者とは

 

酒類の適正な販売管理のために、従業員等に対して助言や指導を行う者をいいます。

 

酒類販売管理者を選任しなかった場合、50万円以下の罰金に処されます。

また、酒類販売管理者を選任しても、2週間以内に「酒類販売管理者選任届出書」を提出しない場合は、10万円以下の過料に処するとされています。

 

酒類販売管理者の選任

 

酒類小売業者は、酒類の小売販売場ごとに、酒類販売管理者を1人選任しなければなりません。

酒類販売管理者選任までの流れ

酒類販売管理者選任までの流れ

出典元:国税庁「酒類の販売管理」

 

酒類販売管理者に選任することができる者は、酒類の販売業務に従事する者で酒類販売管理研修を過去3年以内に受けた者のうち、下の①~③に該当する者です。なお、酒類小売業者(法人であるときは、その役員)がその販売場において酒類の販売業務に従事するときは、自ら酒類販売管理者となることができます。

 

①次に該当しない者

  • 未成年者
  • 精神の機能の障害により酒類販売管理者の 職務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
  • 酒税法第10条第1号、第2号又は第7号から第8号までの規定に該当する者

②酒 類 小売業者に引き続き6か月以上の期間継続して雇用されることが予定されている者(酒類小売業者と 生計を一にする親族及び 雇用期間の定めのない者を含みます。

③他の販売場において酒類販売管理者に選任されていない者

同一人が複数の販売場の酒類販売管理者になることはできません。

 

酒類販売管理者の役割

 

酒類販売管理者は、酒類の販売業務に関する法令を遵守した業務が行われるように、酒類の販売業務に従事する従業員等に対して指導を行います。

酒類小売業者は、酒類販売管理者が行う助言を尊重しなければなりません。

また、酒類の販売業務に従事する従業員等は、酒類販売管理者の指導に従わなければなりません。

 

たとえば、

  • 20歳未満への販売防止のために年齢確認を、確実に実施するよう指導する。
  • ポスターの掲示などによる20歳未満の者の飲酒防止に関する注意喚起や適正飲の啓発等を適切に実施するよう指導する。

など、小売業において酒類販売への責務があります。

 

酒類販売管理者の資格取得

 

「酒税の保全及び酒類業組合法等に関する法律第86条の9」の規定により、

酒類小売業者は選任した酒類販売管理者に指定された団体が実施する酒類販売管理研修を受講させなければならない。

上記の通りです。

 

各都道府県から「酒類販売管理研修実施団体」として指定を受けた小売酒販組合等で実施される酒類販売管理研修を受講してください。

 

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まとめ:食品小売業の現場で本当に必要な資格4選まとめ

 

今回は、「食品小売業の現場で本当に必要な資格4選まとめ」と題して、本当に現場で必要な資格とは何かをお話してきました。

 

おさらいします。

 

今回は食品小売業で働くために、法律上必要な資格を4つをご紹介しました。

 

【厳選】食品小売業の現場で本当に必要な資格4選

  • 第二種衛生管理者
  • 甲種防火管理者
  • 食品衛生責任者
  • 酒類販売管理者

このうち、第二種衛生管理者だけは、試験を受けて合格しないと資格を取得できません。

 

しかし、チャンスがあれば選任されるのは店長クラスになった時だとしても、若いうちに勉強して所得してしまうことをおすすめします。

なぜなら、労働衛生、関係法令、労働生理と細かい法令や知識を必要とするので若くて頭が回るうちにやっておいたほうが良いからです。

 

その他は、講習を受ければ取得できますので心配はいりません。

ただし、講習日程が予約で数ヶ月先まで満員ということもあるので取得が必要になったらすぐ問い合わせをしてください。

 

参考になれば幸いです。

今回は以上です。

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