小売業の店長
半年前にオープンしましたが、最近少しずつ客数が減っています。売場も新しく新鮮で価格も競合店と比べても、差はないのですが、どうして客数が減ってしまうんでしょう?
こんな悩みにお答えします。
◆本記事の内容
- 客数が減る意外な理由【店内編】
- 客数が減る意外な理由【店外編】
◆読んでほしい人
- 客数が減る原因がわからない
- 競合店よりも良い売場なのにお客さんが来ない
- 外部環境が変わってないのに客数が減っている
◆本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 東証一部大手スーパー勤務歴25年
- 管理職歴(副店長・店長)5年
理屈や理論だけでなく、現場で使える解説をしていきます。
◆本記事でわかること
本記事を読み終えると「客数が減ってしまう原因」がわかります。
今回は、「売場のせいだけじゃない!客数が減る意外な理由8つ」を解説します。
客数が減ってしまう意外な理由をご紹介します。
最後まで読んでみてください。
※客数予測の方法については【初心者向け】スーパー客数予測の方法と手順で詳しく解説しています。
客数が減る意外な理由5つ【店内編】
客数が減るというのは、商売をする上で一番の悩み事です。
売場はそんなに悪くないはずだし、価格だって大差はない、品揃えはむしろこっちのほうが多いのに、なぜか客数はなかなか増えない…
接客だって、たまにはクレームはあるけど、客数が減るほどではないし…
一体、なにが悪いんだろう?
こんなお店って、実はすごく多いのではないかと思います。
今回は、よくわからないけど客数が減っている、なかなか増えない原因はどこにあるのかを解説したいと思います。
◆客数が減る意外な理由【店内編】
- 従業員が売場にいない
- 混んでないのに、レジで待たされる
- トイレの手洗にシャボネットと紙がない
- 従業員が買物に利用してない
- 店内BGMで歌入りの曲を流している
順番に解説します。
売場に従業員がいない
人気(ひとけ)を感じない店には、人が寄らないということです。
お客さんがいない、従業員もいない店内は静か過ぎて、無機質に感じてしまうからです。
- 従業員の「いらしゃいませ」が聞こえない
- BGMだけが鳴り響く売場
ちょっと不気味な感じさえします。
買物は、本来楽しくワクワクしながらするものですからね。
従業員の「いらしゃいませ」が聞こえないとなぜ客数に影響するかというと、
実際経験した話をご紹介します。
私が店長をしている時、職業訓練学校の生徒が、1週間研修に来たことがあります。
この結果から2つのことがわかります。
- 本当は聞きたいことがありながらお客さんは、買物をしている。
- 声を出している人には、話しかけやすい。
上記の通りです。
探している商品があるのに、聞く人が誰もいないのは不便ですね。
「いらっしゃいませ」はそんなオーラを消す魔法の言葉なんです。
混んでないのに、レジで待たされる
ストレスがたまる店ですね。
行列ができるほどの大人数なら待たされても、ある程度我慢もできますが、たいして混んでいないのに、待たされるのは納得がいかないからです。
原因として、
- レジの稼働台数が本来より少ない
- レジの応援に入れる従業員がいない
- いたとしても数名に限られている
- 入れる従業員が休みだとできない
- 仕事が間に合わないので入らない
上記の通りです。
お客さんは見ています。
こういう店は嫌われますし、敬遠されますね。
他にもスーパーはいくらでもありますから、買物には困りません。
お客さんが入店から退店までスムーズに流れるのが買いやすいお店です。
トイレの手洗にシャボネットと紙がない
トイレの清潔感と使い勝手は、お客様にとって重要です。
昔から、トイレを見ればその家の程度がわかると言われてますね。
トイレの清掃状態、清潔感はもちろんですが、手を洗う時にシャボネットがない、手を拭く紙がないのは、手を洗わず店内へ入り商品に触ることになってしまいます。
そんな店に、行きたいと思うでしょうか?
いくら新しくできたお店でも維持管理ができていなければ、お客さんは離れてしまいます。
従業員が買物に利用してない
繁盛店は、従業員も積極的に利用してます。
20店舗以上で勤務した経験から、売れない店は従業員ですら買物していません。
働いてお金を稼ぐためだけに来て、買物は他の店でするというわけです。買物するには魅力がないということなんでしょう。
もし、自分の店の従業員が買物をしていないなら、理由を聞いてみることをおすすめします。
客数を増やすための意外なヒントをもらえるかもしれません。
店内BGMで歌入りの曲を流している
誰のために、何のために流しているのかを考える必要があります。
当然、お客様のため、ごゆっくりお買物をお楽しみいただくためだからです。
好ましくない例として、
- 歌謡曲やJPOPを流している。
- 好きなアーティストを流している。
- 自分が聴きたい曲で仕事をしてる。
- 音量が大きい。
従業員が自分たちのために選んだ曲で、不快になり買物に来なくなっている人もいるということは肝に銘じておかなければなりません。
あくまでBGMは、お客様のためであり、お買物を楽しんでいただくための雰囲気や環境作りのためということです。
客数が減る意外な理由3つ【店外編】
客数が伸びない、減っている原因は店内ばかりではありません。
もちろん、競合店ができたりすれば状況は変わりますが、その前に店の外にも目を向けて見ましょう。
◆客数が減る意外な理由【店外編】
- 駐車場が使いづらい
- 店舗周辺の交通量が多い
- 店舗前道路の車のスピードが速い
順番に解説します。
駐車場が使いづらい
地方での来店手段は、車を利用しているからです。
来店者の8割は車の利用で、徒歩、自転車は少数派です。地方に行けばいくほど、大型店舗ほど車での来店が高くなります。
※出典元:全国スーパーマーケット協会「統計・データでみるスーパーマーケット」
◆使い勝手が悪い駐車場とは?
- 駐車スペースが狭い
- 車の取り回しが狭い
- 駐車場自体が小さい
駐車の幅が狭いと買ったものを乗せる時ドアが開けづらく不便です。スライドドアではない方もたくさんいるので、敬遠されます。
取り回しが狭い場合、高齢者や女性ドライバーはバックで車庫入れせず、頭から突っ込んで停めるので帰りにバックで出づらくなります。
接触事故が怖くて行きたくないという方もいるでしょう。
- 停めづらい
- 帰りが出づらい
- 接触が怖い
車での来店に対する不安がない店には、やはりお客様は自然と集まりますね。
店舗周辺の交通量が多い
店の駐車場から帰る時のストレスです。
店舗まわりの交通量が多く、渋滞で道路に出づらいからです。
◆帰りづらい店とは?
- 店舗周辺の道路は交通量が多い
- 反対車線へ出づらい
- 交差点の角に店がある
- 道路に中央分離帯がある
以前、勤務していた店が、これにすべて当てはまる立地でした。
駐車場から道路への出口は2箇所ありますが、すべて中央分離帯があります。
北と西方面へは、多少の渋滞でも入れてもらえば合流できますが、東方面へは、2車線のため右車線まで渡って信号待ちしなければならずかなり面倒です。
しかも東側の出入口は、交差点が目の前でつねに信号待ちの車で渋滞しています。
南方面へは、直接行くことができないため、ぐるっと遠回りしないと帰れません。
ですから、南方面と東方面からのお客様の利用は少なかったのです。
新しい店だから利用していた人も、だんだん帰る時の不便さに負けて他店を利用するようになってしまいます。
店舗前道路の車のスピードが速い
店舗前の車の平均スピードが関係しています。
スピードが速い道路沿いにある店舗には、立ち寄る確率が低くなるからです。
たとえば、
- 交差点過ぎてすぐの場所
- 1車線から2車線になった後
- 2車線で車線変更が必要
スピードを上げはじめる場所で、スピードを落としにくく、さらに車線変更が必要な店舗への立ち寄りは、後続から追突の危険性もあります。
よほど目的があって利用する人以外は、通り過ぎてしまうでしょう。
道路が広くスピードが出てしまうような場所にあるコンビニには、私自身立ち寄ることを敬遠してしまいますね。
まとめ:客数が減ってしまう原因は売場だけじゃない!
今回は、「売場のせいだけじゃない!客数が減る意外な理由8つ」と題して、客数が減ってしまう意外な原因についてお話してきました。
おさらいします。
客数が減った原因を考える時、最初に思いつくのは、競合店のチラシや価格、鮮度、品揃えです。しかし、本当にそれだけでしょうか?
今回は、売場や競合店以外で、客数が減った原因についてご紹介しました。
◆客数が減る意外な理由【店内編】
- 従業員が売場にいない
- 混んでないのに、レジで待たされる
- トイレの手洗にシャボネットと紙がない
- 従業員が買物に利用してない
- 店内BGMで歌入りの曲を流している
◆客数が減る意外な理由【店外編】
- 駐車場が使いづらい
- 店舗周辺の交通量が多い
- 店舗前道路の車のスピードが速い
店舗の設備や環境作りは、お客様のためであり従業員のためでもあります。しかし、従業員のためであってもお客様のためにならないことが多く、客数減につながっていると思います。
店舗の買いやすさと駐車場の使いやすさ、入りやすさ帰りやすさは、すべてセットで求められます。
客数減の理由に煮詰まっている人も、売場だけじゃなく、広い視野を持って改善してみてください。
参考になれば幸いです。
今回は以上です。
※客数予測の方法については【初心者向け】スーパー客数予測の方法と手順で詳しく解説しています。