品出しを速くできるようになりたいんですが、速い人と遅い人では何が違うんですか?速くできるコツを教えて下さい。
こんな疑問にお答えします。
◆本記事の内容
- 品出しが遅い人の特徴
- 品出しが速い上級者とは
◆読んでほしい人
- 品出しが遅いといわれた
- どこから手を付けていいかわからない
- 品出しを教える立場になった
◆本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 東証一部大手スーパー勤務歴25年
- 管理職歴(副店長・店長)5年
本当に現場で使える解説をしていきます。
◆本記事でわかること
本記事を読み終えると「速くて、的を射た品出し」ができるようになります。
25年間の自身の経験をもとにお話します。
品出しが上手くいかず困っている方はぜひ、
最後まで読んでみてください。
◆あわせて読みたい!
【スーパーの品出しシリーズ】はこちら!
※【初心者向け】スーパーの品出しマニュアル【基礎編】
※【中級者向け】スーパーの品出しマニュアル【仕分け編】
※【初心者向け】スーパーの品出しマニュアル【優先順位編】
品出しが遅い人の特徴
大きく分けて3つあります。
- 動作自体が遅い
- 探す時間が長い
- 的はずれな品出しをしている
ひとつずつ解説します。
動作自体が遅い
原因は3つあります。
- 両手を使っていない
- 基本的に動作がゆっくり
- おっとり型な性格
上記の通りです。
◆1.「両手を使っていない」というのは、両手を同時に使うということです。
なぜなら、同時に使わないと効果が発揮できないからです。
たとえば、
つまり、1000個を品出しする場合
1個ずつ3手かけて品出しするのと、2個ずつ2手で品出しするのとでは
品出し量が多ければ多いほど、差は大きくなります。
性格・人間性もしくは、時間にルーズな人かもしれません。
賛否はありますが、性格や作業量・スピード・持続性・忍耐力を計るには一定の効果はあります
つまり、根本的に遅い人を採用しないためです。
クレペリン検査とは
一桁の足し算(3、4、5、6、7、8、9の組み合わせからなる)を、5分の休憩をはさんで前半15分、後半15分の30分間行わせた上で、1分ごとの作業量の継時的な変化のパターンから性格や適性を診断する。診断の基本的な考え方は、健康で性格面・適性面に大きな偏りのない人に典型的に出現する曲線型を「定型曲線」として置いた上で、その定型曲線との類似度やズレ、定型にあてはまらない曲線特徴の現われ方などから、受検者の性格や適性を評価するものである。
出典元:ウェキペディア
探す時間が長い
- 「このキャベツをここへ出してください」
- 「このチョコレートをここへ出して」
このような指示で商品を品出しするのは、品出しではなく、「商品補充」と私は考えています。
つまり、商品と場所を指定され、その通りに商品を棚に出す場合です。
実際の現場では、このような指示は初心者や緊急性のある場合に上司からされます。
すると次のような情報が必要になります。
- 商品の陳列場所はどこか
- 在庫の場所はどこか
- どんな商品が入荷しているか
3つの情報が頭に入っていないと品出しは渋滞します。
コンビニであれば、入荷した商品は売場に置かれますし、入荷量も少ないので探す手間も移動も少なく済みます。
しかし、スーパーの場合は1日に台車で少なくとも100台は入荷し商品が混在しています。数万アイテムが並ぶ商品の場所も把握しなくてはいけません。
当然、在庫整理ができていることも条件になります。
的はずれな品出しをしている
- 商品の陳列場所がわかる
- 在庫の場所も入荷品も把握している
- 両手を使って品出しもしている
なのに、品出しが遅い、売場がガタガタだと注意されてしまう・・・
原因は、品出しの順番と量です。
このような症状の人の特徴は
- 何からどの順番で品出しするかストーリーを考えていない
- 目についた商品をいきあたりばったりで出している
- 片っ端から全部埋めようとしている
つまり、優先順位がわかっていないということです。
簡単に言えば、
お客様が買っていく商品を先回りして品出しして、買われる数量よりも多く出すことができていないということです。
買われていくスピードに負けているんです。
品出しの要領が悪い人は、
- 満タンに出した時の陳列量はどれくらいか
- 開店時から現在までどれくらい品出ししたか
- あとどれくらい出さないと足りないか
- どの商品はもう出さなくていいか
上記の情報が整理されていないため、場当たり的な品出しをしているからです。
そして1日の販売予定数に対して、「いま」どれくらいかを考慮していないのです。
「一生懸命、品出ししても売場が埋まらない・・・」
初心者でも経験を積めばスピードは速くなってきます。
しかし、あるところまで来るとそのスピードが止まります。
速さだけではなく、順番と量、そして1日の販売予定数の把握が品出しには必要なのです。
品出しが速い上級者の特徴
チーフやリーダーは、そんなに慌てて品出ししているようには見えないのに、いつの間にか商品が整って売場がビシッと決まっている。
経験の浅い人から見れば、不思議な光景です。
チーフと私は、なにが違うのか?
それがこのセクションのテーマです。
◆品出しが速い上級者の特徴
- 品出しのストーリーを考えている
- 変化する売場へ臨機応変に対応
- 売れ数・売場在庫・品出し量を把握している
- 出さなくていい商品がわかっている
ひとつずつ解説します。
品出しのストーリーを考えている
品出しができる人(上級者)は、品出しのストーリーを考えています。
自分が出す商品、部下に出させる商品の分担も考えています。
なにを自分が出したら良いのか、どこは部下に任せるかを判断しているのです。
変化する売場へ臨機応変に対応
最初にストーリーは作っておいても、状況に応じて変えているということです。
常に、全体を見る癖をつけ、品出しをしながらも視野を広く持ち、変化していく売場の状況に気を配っています。
たとえば、
目の前の品出しに没頭しないようにしましょう。
売れ数・売場在庫・品出し量を把握している
現在の売場にある商品量で足りるか、足りないとすればどれくらい必要かを把握しているということです。
- 1日の予想売れ数
- 現在の売場在庫数
- 開店時からの品出し量
少なくとも3つの情報をざっくりでも理解していないと品出しが上手くいきません。
上手くいかないというのは、
- 営業中の品切れ・品薄が多発
- 過剰な品出しで大量の食品ロス
たとえば、
1日の予想販売数が100個の場合
本来、数字が頭に入ってないと品出しはできないのです。
出さなくていい商品がわかっている
品出しするかしないかの取捨選択ができているということです。
ここが初心者と大きく違うところです。
出さなくていい商品を一生懸命出してしまって、本来出すべき商品がでないから埋まらないのです。
出さない商品は前出しと売場整理だけでも十分です。
減ってから出すのではなく、先回りして当日必要な量を出しています。
さらに上級になれば、ムダな品出しがなくなり戦略的な品出しに変わっていきます。
たとえば
こちらから売場を変化させて、売上を上げるための試みをしているのです。
まとめ
今回は、「品出しが遅い人、速い人の特徴を解説!」と題して、品出し上級者はなにが違うのかを解説してきました。
おさらいします。
◆品出しの遅い人の特徴
- 動作自体が遅いうえ、両手を同時に使っていない
- 商品の場所、在庫の場所を把握してないため探す時間が長い
- 順番と量を理解してないため、的はずれな品出しをしている
◆品出しが速い上級者の特徴
- どこからどの順番で品出しするかストーリーを考えている
- 常に全体を見て、変化する売場へ臨機応変に対応
- 売れ数・売場在庫・品出し量を把握しなければ品出しは上手くいかない
- 品出しするかしないかの仕分けができている
ざっくりとこんな感じです。
◆品出しが上手くできるようになるために必要な情報
- 商品の場所を覚える
- 在庫の場所を覚える
- 入荷品を把握する
- 両手を同時に使う
- 満タン時の陳列量を知る
- 1日の販売予定数を知る
- 開店時からの品出し量を知る
- 開店時からの販売数を知る
- 在庫量を把握する
- 品出しが必要ない商品の仕分けをする
- 閉店までに必要な数量を把握する
- 閉店時の残数を予想する
以上の情報を整理して品出しをすることを意識すれば必ず上達します。
ぜひ試してみてください。
今回は以上です。
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