新卒採用のため就活中
志望動機を書く時に、気をつけることはなんですか?ネットや本で調べていますが上手くいきません。教えて下さい。
こんな悩みにお答えします。
志望動機を書く時、例文を見てはいけない理由
志望動機を書く際、ネットや本に掲載されている「例文」。参考にしたり真似をしたりしてしまいがちです。しかし、例文を見ることがいかに就活、面接にとってよくないことかをわかりやすく解説します。
- 小売業界を希望する就活中の大学生
- 志望動機を本やネットの例文を参考に書いている
- 志望動機は上手く書けたつもりだが、内定が取れない
- 東証一部大手スーパー勤務歴25年
- 管理職歴(副店長・店長)5年
- 勤務店舗数は20店舗
100%実体験をもとに、25年間の勤務で見聞きしたスーパーの実態と考察について書いています。
- 例文を見ながら書いた志望動機を面接官はどう思っているか?
- 志望動機は、誰のため何のために書くものなのか?
- 内定が取れない原因と志望動機の作り方の関係
就活をしている学生さんにはぜひ参考にしていただきたいです。
◆採用面接で落ちる人の特徴が気になる方はこちらをどうぞ。
※【就活者向け】大手スーパーの面接で落とされる人ワースト5
今回は、少し話が長くなりそうなので先に結論をお話しておきます。
- 例文を見て志望動機を書く人は、採用面接官を侮っている。
- そもそも志望動機の大前提を間違えている。
- 見てはいけない理由5つ
- 理由①:企業側も例文はリサーチしている
- 理由②:個性が消えてしまう
- 理由③:キャラと志望動機が合わなくなる
- 理由④:暗記しなければいけなくなる
- 理由⑤:美しすぎる志望動機は足元をすくわれる
上記の通りです。
以下、詳しく解説していきます。
はじめに
話を進める前に、採用面接官と志望動機について再確認しておきましょう。
「そんなことは、知っている!」と思うかもしれません。しかし、ここを見誤ると、面接の根本が崩れてしまいます。
少しだけお付き合いください。
面接官を侮ってはいけない
企業の採用面接官とはどんな人達なのか確認しておきます。
相手は何千何万人を面接してきたプロ
採用面接官とは人事部に所属し採用を専門にしています。人事部の中でもベテランの社員が担当。
最低でも10年以上の採用キャリアを持ち、この道一筋20年以上採用の担当をしている人もいます。
そのための専門部署であり、それで給料をもらっているプロです。
相手は採用面接官、採用のプロだから、自分の気持ちや話す内容はわかってくれるだろうと思っていませんか?もしくは、わかってくれるまで聞いてくれると思っていませんか?
全く逆です。
ダメだなと感じたら、「はい、次の方!」とは言わないまでも、容赦なく落とします。
その代わり、これは!と思った学生は逃しません。「今度いつ会える?もう少し詳しい話、聞かせてくれる?」となります。
そういう方たちを相手に面接するということを肝に銘じてください。
ごまかしは通用しない
面接官は基本、ポーカーフェイス。
万単位の志望動機を見たり聞いたりしてきた面接官には見透かされています。
しかも、面接官は、本やネットに出回っている例文をよく見て研究もしています。
警察が犯罪の手口を研究しているのと同様に、志望動機のあらゆる例文も研究しています。もちろん、本人にはなにも言わないでしょうが、例文のパクりが分かれば不採用もありえます。
本人だけがうまく書けた、うまく話せた、これならいける!と思い込んでるだけです。
志望動機の前提が間違っている
志望動機はそもそも何のために書くのか?
企業は「あなた」を知りたがっている
内定をもらうため、採用してもらうために志望動機を作るのではない、ということです。
つまり、企業に自分を知ってもらうためのツールのひとつです。
ですから、企業と学生それぞれの目的を一致させる必要があります。
これでは、あなたのことを知りたがっている企業に対して、違うアプローチをしていることになります。
「あなたのことが知りたいのに、よくわからない」という印象しか残りません。
企業は消化不良を起こしてしまいます。
あなたのことを知りたがっている企業に対して、自分をさらけ出し「私はこんな経歴と考えを持っています」という応答が必要です。
相手がなにを要求しているのか、知りたがっているのかに対して、まっすぐに応えなくてはいけません。
志望動機は、あなたを知るための道具。採用するために書いてもらってるわけではないのです。
志望動機は手段、自分を知ってもらうことが目的、採用は結果です。
ここまで本編に入る大前提として、採用面接官と志望動機についてお話しました。
少し前置きが長くなりましたので、さっそく本題に入りましょう。
志望動機の例文を見てはいけない5つの理由
- 理由①:企業側も例文はリサーチしている
- 理由②:個性が消えてしまう
- 理由③:キャラと志望動機が合わなくなる
- 理由④:暗記しなければいけなくなる
- 理由⑤:美しすぎる志望動機は足元をすくわれる
ひとつずつ解説していきます。
理由①:企業側も例文はリサーチしている
情報は、学生だけが見れるわけではありません。企業も同様に見ることができます。
冷静に考えれば、誰でもわかることです。
しかし、就職に関する情報となると、自分だけが知っていることだと錯覚を起こしてしまいます。いや、錯覚を起こしていることすら気づいていないかもしれません。
なので良い例文を見つけたら、これは使える!この表現、ストーリーは自分にピッタリだ!などと流用してしまいます。
ネット上にあふれる例文は、「〇〇業界 志望動機 例文」と検索するとほぼ全員同じ検索結果が出てくる仕組みになっているからです。
つまり、あなたが見ている例文は、企業も学生もみんな見ているということです。
これを採用側の立場になって考えてみると、例えば、志望者は5000~1万人でも採用担当者は2~3人です。
似たような表現、言葉遣い、そしてストーリーにうんざりでしょう。
担当者の立場になってエントリーシートを作成するということは非常に重要なことです。
理由②:個性が消えてしまう
理由①でお話した通り、企業はあなたという人間がどういう人かを知りたがっています。
にもかかわらず、ネットで調べた例文を流用してみんなと同じような志望動機を作り上げでしまう。
みんなと同じということがマイナスに働いてしまうことにも気づいていません。
それが個性。その違いを見るためにエントリーシート、面接を行っています。
志願者と採用者はどちらが多いですか?
大企業になればなるほど採用者の方が少ないはずです。だから、個性をなくしてみんなと同じにしてしまったら、「その他大勢」の中に入ってしまうんです。
採用された人は、その他大勢から一線を画す人。そちらに入らなければいけません。
なのに学生は、一生懸命調べて必死に他人との差をなくそうなくそうとしている。
どう考えても無理ゲーですね。
◆小売業界に採用されている人の特徴が知りたい方は、こちらをどうぞ。
※【小売業界志望】スーパー業界が絶対に採用したい人材7選
理由③:キャラと志望動機が合わなくなる
本人のキャラと志望動機の文面が合っていないということです。
「人馬一体」といわれますが、人と文面が合わないと違和感を感じてしまいます。
例えば、
志望動機では良いことがたくさん書いてあったのに、話してみたら全然違う!志望動機が浮いてしまっているんですね。
自分の体験からでた言葉ではなく、例文を参考に書いてしまったため言葉が自分のものになっていないためです。
こういう所を面接官はすぐに見抜きます。
もちろん口には出しませんが、面接は形式的なものになるでしょう。
理由④:暗記しなければいけなくなる
もともと頭の中にあること、考えてることを整理して書いているなら暗記する必要はないはずです。
外から取り入れようとすると暗記する必要がでてきます。
例えば、
志望動機も同じです。
そもそも例文を見ないと書けないのなら、その企業への思いもその程度しかないということ。本当に心底その企業に入りたいのならなにも見なくても出てくるはずです。
その思いを整理して言葉にしたほうが、絶対例文よりいい言葉になるし、あなただけの志望動機、オリジナリティにあふれた志望動機になるはずです。
その思いは必ず企業へ伝わります。
自分の内面から出てきたものではないと暗記せざるを得なくなります。一字一句間違わないように暗記しようとするから緊張と不安が増してしまいます。
暗記したことを話すことに終始してしまい、うまく話せたという自己満足にもなります。うまく話せなかった時には落ち込みと、また失敗したらどうしようという次回への不安をくり返す悪循環になります。
すべては、暗記したことを話そうとするから起こることです。
体裁だけ整え作り上げた志望動機を暗記して話すのと、内面から出る熱い思いを話すのとでは、伝わる説得力が全然違います。
信念を感じられる学生の中から内定は出していきます。
志望動機は作り上げるものではなく、内なる思いを整理して伝えることです。
理由⑤:美しすぎる志望動機は足元をすくわれる
志望動機は発表して終わりではなく、面接官から気になる点の質問が入ります。
なぜなら、志望動機がホントかどうか確信が持てないからです。志望動機は、作ろうと思えば話を作れてしまいます。
他人の例文をパックて作ったのか、本当にそう思って志望したのか文面や一度聞いただけではわからないものもあるからです。
だから、抽象的な言葉には、より具体的な内容を求められます。
- 先程の〇〇について、もう少し詳しく話してくれますか?
- その時の状況をもう少し詳しく話してくれますか?
- 〇〇については、どう考えてますか?
- どういうところがそう思いますか?
など、ツッコミが入ります。
論理的につじつまが合い、具体的な体験談があって納得できる内容なら相手も安心するでしょう。
本当に、いちから自分の体験だけで作った志望動機なら応えられるはずです。しかし、例文をパクって作ったとすれば、応えに窮してしまい、完全に見透かされます。
今日はじめて会った人に、お世辞や会社を褒めちぎられても、すぐに信用はできません。
しかも相手は、何万人を面接してきた豊富な経験を持ちます。ありとあらゆる志望動機や自社の良い所を学生から長年聞いています。
何万人の学生から「告白」され続けているわけですから、企業は「告白慣れ」もしています。
うわべだけの形式的な美しすぎる告白は、聞き飽きています。だから、より具体的な告白が聞きたいのです。
- いつから私を知ってるの?
- いつから好きなの?
- 私のどこが好きなの?
- どうして私と付き合いたいの?
- あなたと付き合うとどんなメリットがあるの?
- 私と付き合って何がしたいの?
上記の通りです。
このような素朴な疑問は、異性同性に限らず企業に対しても全く同じです。この疑問へ真摯に具体的に論理的に応えることが、告白する者の義務であり採用に向けて不可欠な対応です。
まとめ:志望動機に正解はない、あるとすればあなた自身の中
今回は、「志望動機を書く際になぜ例文を見てはいけないか」についてお話してきました。
おさらいをしておきます。
- 理由①:あなたが見た例文はみんな知っている
- 理由②:例文を見て作ると個性が死んでしまう
- 理由③:自分のキャラと志望動機は合わせよう
- 理由④:暗記が必要な志望動機は自分のものではない
- 理由⑤:真摯に具体的に論理的に応えることが志望する者の義務
ざっくりこんな感じです。
他でもなく自分自身の志望動機です。隣に座っている学生の志望動機を話すわけではありません。あなたの志望動機はあなたにしか書けないのです。
自分の志望動機や自己紹介をネットで検索しないと書けない、例文をパクらないと書けないような人を企業が欲しがるでしょうか?よく調べてきたね、と褒めてくれるでしょうか?
人事部はすました顔をして面接を担当していますが、書籍やネット上のあらゆる例文を見て研究しています。あなたが例文をパクって書いてきたことなどすでにお見通しです。
まずは、自分自身へのインタビューから始めてみてはいかかでしょうか?
みなさんの健闘を祈ります。
今回は以上です。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。