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【発注歴25年】発注ミスの対処法は「商品といつ気づくか」で決まる

スーパーの仕事

以前発注ミスについての記事を読み、原因と対策については理解しましたが、もし本当に発注ミスをしてしまった時は、どのような対処をすればいいですか?教えて下さい。

こんな悩みにお答えします。

 

◆本記事の内容

  • 発注ミスの対処法はいつ気づくかで決まる
  • 発注ミス別の対処法3選
  • 発注ミスの商品別対処法4選
  • 発注ミス対処法の心得8選

 

◆読んでほしい人

  • 発注ミスをやってしまった時の対処法を知りたい
  • 発注ミスをまだしたことはないが知っておきたい
  • 発注ミスやってしまった、すぐに対処法を知りたい

 

◆本記事の信頼性

この記事を書いている私は、

  • 東証一部大手スーパー勤務歴25年
  • 管理職歴(副店長・店長)5年

理屈や理論だけでなく、現場で使える解説をしていきます。

 

◆本記事でわかること

  • 「発注ミスをしたときの初期動作と対応」がわかります。
  • 「商品による対処法の違い」が理解できます。
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発注ミスに気づいた時間別、ケース別、商品別に分けて詳しく解説していきます。すべて自身の経験に基づいてご紹介します。

 

以前、発注ミスの原因と対策について記事を書きました。多くの人に読んでいただいています。

しかし、いくら対策をしても人間ですからミスは起きてしまうものです。

 

今回は、発注ミスを本当にしてしまった時、どのような対応をすればよいのかについて、お話しようと思います。

対応策を知っていれば、いざミスを犯してしまった時に、スムーズに行動へ移すことができるからです。

 

発注ミスの原因と対策について知りたい方は、下記の記事をどうぞ。
※【簡単】発注ミスが起こる原因7選【対策は2つだけ】

 

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発注ミスの対処法はいつ気づいたかで決まる

 

まずはじめに、発注ミスの対処法は「いつ気づいたか」によって決まるというお話をしようと思います。

 

ミスにいつ気づいたか、3つに分けて解説します。

  • 発注しめ切時間内
  • 発注しめ切時間外(〆切~2時間以内)
  • 発注しめ切り時間後~入荷当日

上記の通りです。

ひとつずつ解説します。

 

発注しめ切時間内

 

早期発見による対応で、ベストといえます。

しめ切時間内であれば入力した数量を訂正して送信するだけで、被害はないからです。

 

例えば、

発注をした後、売場に行ったら予想外に売れて足りなくなりそうな場合があります。

そんな時もう一度追加発注をすることができます。

発注が抜けていたり、打ち間違えに気づけばすぐに訂正し、事なきを得ます。

 

「発注の時間に余裕を持て」というのはこのためです。

 

発注しめ切時間外(しめ切~1時間以内)

 

しめ切は過ぎてしまったが、すぐにミスに気づいた場合です。

時間外なので端末による訂正ができなくなります。

 

そのため以下3つの訂正方法があります。

  • 本社商品部へ連絡
  • メーカーへ連絡
  • 上司へ報告し指示をあおぐ

上記の通りです。

端末がつかえなくなるので、電話・FAXによる訂正が一般的です。

 

◆本社商品部へ連絡する

まず、最初にとるべき行動です。

 

しめ切時間は過ぎてしまったもののまだ30分しか経っていない!そんな時は、すぐに発注を管理する商品部へ連絡する方法です。

商品部と書きましたが、自社の発注を管轄する部署へ連絡するということです。

 

◆訂正する時に必要な情報

  • 店名
  • 店番
  • 部門
  • 商品名
  • 発注コード
  • JANコード
  • 結局いくつにしたいのか?

最低これくらいは聞かれても、すぐ答えられるように準備してから連絡しましょう。

聞かれてから調べるようではさらに迷惑をかけてしまいます。

 

◆メーカーへ連絡する

企業によっては禁止されている方法です。

 

私が努めていた企業では直接メーカーへの訂正は禁止されていました。

必ず商品部バイヤー経由が原則です。

自社のルールを確認せず、勝手にメーカーへの連絡はやめましょう。

 

◆上司へ報告し指示をあおぐ

大きな発注ミスの場合です。

 

例えば、

  • 発注が送信できなかった。
  • 大量に商品が入荷してしまう。
  • 日替わり品の発注が抜けてしまった。
  • 特注品の発注を忘れた。

など、多大な損失、お客様にご迷惑をかけることが予想される場合です。

 

チーフや店長は経験豊富です。

いくたの失敗やケースを経験しているので、ひとりで悩まずすぐに相談しましょう。

 

【重要】連絡をしたとしても必ずしも訂正してもらえるわけではありません。

この方法で訂正ができるのは、発注しめ切後1時間でしょう。

企業によって細かいルールがあるはずです。時間外の対応方法については、上司に必ず確認しておきましょう。

 

発注しめ1時間後~入荷当日

 

企業によって対応はさまざまでしょうが、訂正はできないと思って間違いありません。

むしろ、そう思っていたほうがいいです。

 

但し、ダメもとで連絡してみるのは全然ありです。

さすがに深夜や入荷当日ではムリでしょう。

しかし、発注しめ後1時間や2時間くらいならあきらめず交渉してみましょう。

 

ダメだった時は販売当日までにできることを準備しておきましょう。

 

といっても、なにをどう準備しておくのか?

次でお話します。

 

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発注ミス別の対処法3選

◆3大発注ミスを例にとって解説します。

  • 発注が抜けて商品がまったくない
  • 発注単位をまちがえ大量に入荷した
  • 違う商品が入荷してしまった

上記の通りです。

ひとつずつ解説します。

 

発注における3大ミスです。すべて私も経験しています。

 

ちなみに、品切れや品薄、あるいは大量に売れ残ってしまった場合は発注ミスではなく、販売予定数のズレによるもので精度と販売努力の問題です。

 

今回は発注ミスの対応について話をしているので、気になる方は以下の記事をどうぞ。
※【発注歴25年】発注が下手な人、上手い人の特徴を解説

 

発注が抜けて商品がまったくない

 

売るものが全くないという状態です。

このケースでの対処法は4つ

  • 近隣店舗から商品を調達する
  • 市場まで商品を調達に行く
  • 他企業のスーパーから買ってくる
  • 引換券を発行する

上記の通りです。

ひとつずつ解説します。

 

近隣店舗から商品を調達する

近隣店から借りるというのが一番現実的で手っ取り早い方法ですが、相手も貸すことを前提に発注してないので、もらえたとしても数ケースの場合が多いです。

1店舗では足りず、2店舗、3店舗と借りに走ることになります。

 

だれが借りに行くかは、責任者次第です。

 

新人か部門で一番若い社員に行かせるか、チーフが行くか、発注担当者が行くかですね。女性アルバイトやパートさんの場合は店長か副店長が代わりに行くこともあります。

その間、店を離れることになりますので責任者不在のまま営業することになります。

 

市場まで商品を調達に行く(青果物の場合)

青果部門を担当していた時は、市場のバイヤーに朝4時頃電話して大根や玉ねぎなど市場にある商品を回してもらいました。

もちろん自分の車に積んで店まで運びました。3往復したときもありました・・・。

市場に近く店舗なら有利ですが、遠い店だと移動時間と鮮度劣化の心配がありますね。

これもバイヤーしだいのところがあるのでおすすめはできませんが、ダメもとでお願いしてみるのもありだと思います。

 

他企業のスーパーから買ってくる

一度だけピーマンの発注が抜けて市場に連絡したんですが市場にもなくて、近くのスーパーから買い漁ってきたことがあります。

現金仕入れというやつです。

ここまでするようになってはダメですね。

反省してます。

 

引換券を発行する

期限を1週間程度に設定し当日と同一商品を同一価格で販売する引換券を発行してお渡しします。

店長の最終判断として行われます。

 

お客様としては同じ価格で買えのでひとまず安心ですが、「今日欲しかった、使いたかった」という方には不満が残ります。

 

私の経験では、引換券を出しても実際引き換えに来店される方は70%くらいでした。

券はもらったものの忘れたり、期限を過ぎてしまったり、待てずに他店で購入していると思われます。

つまり、欲しいと思った時に商品がないと、後日では購買力が失せるということです。

 

発注単位をまちがえ大量に入荷した

 

商品が全くないのも困りますが、ありすぎるのも問題です。

このケースの対処法は3つ

  • 近隣店舗へ販売を手伝ってもらう
  • 社内メールで引き取ってくれる店を募集する
  • 残りは店舗で販売する

上記の通りです。

ひとつずつ解説します。

 

近隣店舗へ販売を手伝ってもらう

先ほどと逆ですね。

今度はこちらから近隣店にお願いして少しでも商品を貰ってもらいます。

お願いする立場ですから、完全に相手の言い値での交渉になります。

5ケースでも10ケースでも引き取ってもらえるなら文句はいえません。ありがとうございます、です。

こういうことは時々あるので、近隣店舗とは仲良くして、日頃から情報交換したりたまに店に顔出して買い物したり親交を深めておくことをおすすめします。

いざという時、助けてくれます。

 

社内メールで引き取ってくれる店を募集する

量が多い時には、近隣店舗だけでは限界があります。

社内メールで全店舗へお詫びとお願いをすることで量をさばきます。

 

困ったときはお互い様、手を上げてくれる店舗も多く、私も引き取ったことは何度もありますし、お願いしたこともあります。

もちろん、店舗への仕分け、梱包はすべて自分たちで行い、配送トラックで運んでもらいます。

物流部にも迷惑をかけることになるので、物流・配送へ事前の根回しも必要になります。いきなり了解もなくやると大混乱になるので連絡は忘れずにしましょう。

 

残りは店舗で販売する

いくら引き取ってくれたとはいえ、思うようにさばけない時もあります。

通常の5倍10倍の量が残る可能性もあります。そうなったらもう売るしかありません。

 

でもいつも通りに売っていてはとてもさばけません。

 

売り方を変えます。

 

単品大量陳列へ売場変更する
通常の陳列量やフェイス数では視認率が上がらないため、面で売場を作ります。

 

例えば、

  • 平台1本全面を使用する
  • エンド1本使用する
  • 特設売場で販売する
  • より売れる場所へ移動する
  • 売る場所を増やす
  • 価格を下げる

上記です。

とにかくなるふり構わず、売ることに全力投球しかありません。

 

売る場所を2つ3つと分散させての販売は常温で販売できるグロサリー商品に限ります。

例えば、定番、エンド、特設の3ヶ所などです。要冷蔵品ではできません。

 

◆値段を下げるのは簡単ですが、あくまで商売です。

価格を下げて並べるだけでは商売にはなりません。この価格で販売すると廃棄がどれくらいでて、値下げも粗利を確保しながら廃棄とのバランスを考えギリギリのラインで計算します。

 

◆売り方の工夫も必要になります。

例えば、

  • バンドル販売をする
  • 目立つPOPを作成する
  • 店内アナウンスをする
  • 試食販売をする
  • メニュー提案をする
  • 売場に人をつけ対面販売にする

など、上記の通りです。

 

この中から商品の特性と数量を考慮して効果的な対処法を組み合わせます。

やれることは全部やろうという感じですね。

 

バンドル販売とは、1個80円、2個で150円、3個で200円のように、まとめ買いを促すために行う価格設定と販売方法です。

 

違う商品が入荷してしまった

 

代替品として販売する

例えば、チラシ特売でキッコーマンの醤油1リットルが入っているのに、ヤマサの醤油を発注してしまった場合などです。

近隣店舗へ商品の手配をしますが、予定数を集められることはないでしょう。

とりあえず代替えとしてヤマサをチラシ価格で販売する方法です。

 

引換券の準備もしておく

しかし、基礎調味料は安ければ何でもいいという方もいますが、毎回決まった商品を使う方も多くいらっしゃいます。

そういう方には、引換券をお渡しする手配もしておかなければなりません。

もし、全く関係ない商品が入荷した場合は、上記の「発注が抜けて商品がまったくない」の対応と同じになります。

 

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発注ミスの商品別対処法4選

ここまで発注ミスした時の対処法についてお話してきました。

このセクションでは、「商品によって対処法が変わる」ということを解説していきます。

 

商品を4つにわけて解説します。

  • グロサリー食品
  • 生鮮食品
  • 雑貨品
  • 日配食品

上記の通りです。

ひとつずつ解説します。

 

グロサリー商品は大陳向き

 

醤油、飲料、お菓子など、一番対応しやすい商品といえます。

なぜなら、要冷蔵ではなく常温での販売ができることと、大量に陳列しても商品が傷まないことがあげられます。

つまり、売る側としてはロスになりにくく、管理しやすいということです。

 

しかし、常温で販売ができるからといって、どこでも陳列していいわけではありません。

例えば、

コーヒーの発注ミスで大量に入荷した場合、青果売場前に売場を作るわけにはいきません。

生鮮食料品をメインに販売するスーパーにおいて、店に入っていきなり目の前にコーヒーの売場があるというのは、青果のイメージも悪くしてしまいます。

 

作るなら催事コーナーのような大陳スペースで販売するべきで場所は選びます。

 

雑貨は雑貨売場でしか販売できない

 

雑貨品(紙・洗剤・シャンプー)も同様です。

雑貨品は、食べ物と併売することはできません。匂いも強く、食品本来の香りをなくし、見た目にも食欲を減退させてしまいます。

雑貨は雑貨コーナーでしか基本販売できないのです。

但し、日付があるわけではなく、腐る心配もないので、次回の特売まで保管して売るということもできます。慌てず気長に販売するのも手段のひとつです。

もっとも、雑貨品なら劣化することもないので他店も引き受けやすいでしょう。

 

生鮮食品は鮮度劣化との戦い

 

魚、肉、野菜、果物などの生ものです。

特徴としては、肉、魚は日持ちせず、要冷蔵になります。グロサリー商品と違い、冷蔵ケース内での販売に限定されます。

 

野菜、果物は、要冷蔵の必要は必ずしもありません。

しかし、生ものであり日持ちもしません。常温での販売は劣化を早めます。

入口近くにある青果売場は夏場、外からの熱風が吹きつけ劣化の原因にもなります。

早めの販売と売り切りをしたいところです。

 

日配品は要冷蔵と日付管理がすべて

 

漬物、納豆、豆腐、牛乳などです。

基本的にはほぼ要冷蔵商品になります。なので、常温での販売はできません。冷蔵ケース内での販売に限定されます。

加えて、日付管理が必要になります。

メーカー記載の賞味期限が1週間~10日程度あります。さらに、スーパー独自の販売期限を設定していることが多いため、賞味期限ぎりぎりまで販売することもできないのです。

 

最後に、

賞味期限、消費期限のある商品については、入荷した日が同じなら、期限が切れる日も全部同じだということを忘れないでください。

 

賞味期限・販売期限・ロスについては、下記の記事をどうぞ。
※小売業の食品ロスがなかなか減らない原因と対策!

 

 

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発注ミス対処法の心得8選

発注ミスを防ぐ上での心得と対処法の心得を8つあげておきます。

 

  • かもしれない発注を心がける
  • 発注ミスを隠さず、気づいたらすぐ報告する
  • 発注訂正は、自社のルールに従う
  • 「連絡すれば訂正してもらえる」と安易に考えない
  • メーカーや本部が訂正してくれなくても責めない
  • 発注ミスはだれでもあること、クヨクヨしない
  • 入荷後の対応と売ることに集中する
  • 今後ミスをしないためにどうすべきか考える

 

上記の通りです。

読めばそのまま、おわかりいただけると思います。

 

 

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まとめ:かもしれない発注を心がけるべし

 

いかがだったでしょうか。

今回は、【発注ミスの対処法は「商品といつ気づくか」で決まる】と題して、実際に発注ミスをしてしまった時の対処法についてお話してきました。

 

最後にお伝えしたいことです。

 

発注ミスは、発注しめ切前に気づき訂正するのがベストです。

だから、発注の時間を十分確保して、しめ切30分前くらいには終わらせるようにする。見直しと訂正の時間も確保しておくことが重要です。

 

発注ミスの対応は大変な労力

 

読んでいただいておわかりのように、対応が上手くいってもいかなくても、リカバーするためにたいへん余計な時間と労力を使ってしまいます。

その間、本来の業務は全くできません。

多くの人、店舗に迷惑をかけてしまいます。そのことを十分理解した上で、今後発注しましょう。

 

発注ミスを防ぐ格言

 

かもしれない運転と同様に、「かもしれない発注」を心がける。

どこか打ち間違えがあるかもしれない、抜けているかもしれない、という気持ちでつねに発注後の見直しには時間に十分余裕を持ってやりましょう。

 

ミスはだれでもやってしまうものですが、日頃からの取り組み方しだいで必ず防ぐことができます。

クヨクヨせず、気持ちを切り替えて明日も発注がんばりましょう!

 

どなたかの参考になれば幸いです。

今回は以上です。

 

読めば読むほど、「この仕事は自分にあわないな…」と感じた方は下記の記事をどうぞ。

※「スーパーの仕事は自分にあわない」と感じた時の対処法3選

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