発注ミスが多く大量に商品が入荷したり、抜けがあったり、何度も迷惑をかけています。どうしたら発注ミスをなくすことができますか?
こんな悩みにお答えします。
◆本記事の内容
- 発注ミスを起こしやすい行動
- 発注ミスの原因7選
- 発注ミスを防ぐ対策は2つ
◆読んでほしい人
- 最近発注をやるようになった
- 発注ミスが多く自信をなくした
- 発注ミスを防ぐ方法を知りたい
◆本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 東証一部大手スーパー勤務歴25年
- 管理職歴(副店長・店長)5年
理屈や理論だけでなく、現場で使える解説をしていきます。
◆本記事でわかること
本記事を読み終えると「発注ミスを防げる」ようになります。
今回は、「【簡単】発注ミスの起こる原因7選【対策は2つだけ】」を解説します。
私自身、新入社員の頃、発注ミスを何度もして迷惑をかけてきたので、経験に基づいてご紹介します。
もう、発注の時間が憂鬱じゃなくなります!
最後まで読んでみてください。
結論です。
これにつきます。
では、見ていきましょう。
※発注については、以下のブログでも詳しく解説しています。
発注ミスを起こしやすい行動
体調がよくない
体調管理は仕事の基本中の基本です。
体のどこかに不調、痛み、熱があれば集中力を欠きミスを引き起こすからです。
たとえば、
暴飲暴食や普段の生活習慣の乱れが仕事ぶりにも出てしまうということです。
発注ミスに、気づくはずがありませんね。
仕事に影響が出るような過ごし方は控えましょう。
時間に追われている
気持ちに余裕がないということです。
つねに右往左往して落ち着いて仕事をしていないからです。
原因として、
- ムダな作業をしている
- 優先順位がわかっていない
- 時間の使い方が下手
- 人の使い方が下手
無駄な作業が多く、優先順位もわかっていないため片っ端から全部やろうとしてしまうタイプです。
しかも、時間も人の使い方も下手なので、全部自分に抱え込んでしまうんですね。
発注はつねに取捨選択の連続で、選択と集中が必要な作業です。
発注への緊張感が薄れてきた
発注に慣れてきた頃に起きますね。
初めて発注したときのあの不安と緊張感から開放された時に起こりやすくなるからです。
こういう人が一番危ないですね。
失敗して散々な思いをすることで、発注への意識が変わってきます。
仕事全般にもいえますが、発注には緊張感が必要です。
ながら発注をしている
発注には、集中力が必要です。
誰かと会話しながら、作業しながらの発注ではミスがでやすいからです。
たとえば、
ながら発注はムダに時間がかかることと、注意散漫になります。
発注ミスの原因7選
トラック便が来たと思ったら、同じ商品が台車で10台も入荷してるのを見て、唖然・・・
「やっちまったぁ~!!」
私も何度か経験してます。
- 新入社員の頃、青果担当で「なめこ」を300ケース、しかも真夏に…
- 「れんこん」を3ケースのところ150ケースの発注ミス…
発注ミスというと、大量に商品が入荷するイメージが強いかもしれません。
しかし、それだけではありません。
◆発注ミスの代表例7選
- 単位違い
- ケタ間違い
- 未発注
- 商品違い
- 発注時間オーバー
- 発注日違い
- 送信エラー
上記の通りです。
ひとつずつ解説します。
発注25年の経験から代表的な「発注ミス」の事例とその原因と対策について解説します。
前提として、
- 数アイテムのような少ない発注量ではない
- 発注時間に〆切がある
- ゆっくりやってる暇はない
ケタ間違い
発注ミスで一番多いのがこれです。
2パターンあります。
ケタ間違い①:「0」の付け間違い
例
逆も同様です。
無意識に連打が多すぎた、または少ないパターンです。
発注端末には防止のために100を超えるとアラームがなりますが、慌てているとそれすら聞こえなくなります。
ケタ違いで大量の入荷も困りますが、100ケース必要なのに10や1ケースというのも大問題です。
たとえば、
他店に連絡して少し分けてもらうか、引換券を出すか、大変な時間と労力ばかりでなく、信用まで失ってしまうのです。
ケタ間違い②:ゾロ目打ち
これも多い事例です。
同じ数字を連打してしまうミスです。
例
これも無意識に連打してゾロ目になるパターンです。
ケタ間違いを防ぐだけでかなりのミスを防ぐことができます。
単位違い
発注単位が個数かケースか商品によって違うということです。
たとえば、
10✕100=1000個入荷するわけです。
1品ごとに確認が必要です。
ここまで「ケタ間違い」「単位違い」を見てきましたが、
この2つは売れる商品より人気のない商品だった場合の影響は甚大です。当然価格を下げての販売になりますので利益に影響します。
売れ残った場合は食品ロスの原因にもなりますね。
未発注
発注すべき商品の発注が抜けてしまった場合です。
ただし、商品によって影響の度合いにかなり差があります。
「ABC分析」というデータ分析法によって、売上への貢献別に商品を分類すると、
たとえば、
100アイテムの商品を、
- A商品:1位から20位
- B商品:21位から70位
- A商品:71位から100位
C商品だからミスしてもいいというわけではありません。
A商品とC商品では発注ミスした場合の影響度が違うということです。
※ABC分析については、「これならわかる!小売業で使うABC分析の活用法【事例あり】」で詳しく解説しています。
あわせて、ご覧ください。
商品違い
発注書で管理している場合に多いです。
生鮮食品は、商品にバーコードが付いていません。
その代わり、グロサリー商品は発注書がないため、売場を動き回ってバーコードをスキャンし発注しなくてはなりません。
- 商品バーコードをスキャン
- プライスカードのバーコードをスキャン
通常2パターンありますが、商品をまちがうことは少ないと思います。
発注書で発注をしている場合は特に注意が必要ですね。
発注時間オーバー
商品によって発注時間の〆が決まっています。
本部やメーカーも商品手配の時間があるので一日中発注できるわけではないからです。
その際あわせて確認すること、
- もし、〆時間を超えて発注した場合どうなるのか?
- 対処はどうするか?
- だれに報告するか?
これらを事前に確認しておくと、いざという時落ち着いて行動できますね。
発注時間に間に合わず送信した場合、
- エラーになり、発注すべてボツになる。
- 翌日発注分として登録される。
基本、この2つのパターンどちらかになると思います。
自社のシステムを確認して下さい。
発注日違い
発注日を間違った場合の予想シナリオ
- 発注が早すぎて、入荷が早く鮮度劣化してしまった。
- 発注が遅くて、約束の日に間に合わなかった。
- 発注できない日があるのを知らず、入荷しなかった。
上記の通りです。
何が一番問題かというと、早すぎると生鮮食品の場合は鮮度劣化、遅いと入荷予定やお渡し予定日に間に合わなくなります。
入荷日やお渡し日から逆算して発注日を決めておきましょう。
送信エラー
数は多くないですが、たまにあります。
発注のデータは電話回線を使用しています。
すべて繊細なコンピューターや回線なので、いつエラーになっても不思議ではないのです。
最後の最後まで気を抜かず、データ送信の確認をしましょう。
次に、解決策について見ていきましょう。
※実際に、発注ミスしてしまった場合の対処法についてはこちらをどうぞ。
発注ミスの対策は2つだけ
上記、7つの発注ミスを防ぐ共通の対策
- 十分な発注時間を確保する
- 必ずリストで発注見直しをする
上記の通りです。
十分な発注時間を確保する
すべては発注に十分な時間をとれないことが原因です。
しかも時間がないので数量を決めるにしても大雑把、品切れしたくないから多めに発注をしてしまい入荷も在庫も多くなってしまうのです。
そしてまた発注する時間がなくなってしまう悪循環になってしまいます。
自分で自分の発注時間を奪っているのです。
必ずリストで発注見直しをする
発注した後、送信リストの確認をするということです。
当たり前のことなんですが、本当に毎回確実にやっていますか?
◆発注送信リスト見直すポイント
- 数百アイテム1品ずつすべては見直せない
- ミスできないものだけを決めて見直す
- ケタ違いをしていないか
- ゾロ目の発注はないか
- 数量の多い商品を見ておく
これで9割以上の発注ミスは防げます。
まとめ:発注ミスが起こる原因7選【対策は2つだけ】まとめ
今回は、【簡単】発注ミスが起こる原因7選【対策は2つだけ】と題して、発注ミスが起こる原因と対策についてお話してきました。
おさらいします。
◆発注ミスが起こりやすい行動
- 体調がよくないとミスを引き起こす
- 時間に追われていると落ち着いた発注はできない
- はじめた頃の不安と緊張が薄れた頃にやってくる
- 他の従業員と話しながら発注をしている
次に、実際起こる発注ミスを紹介します。
◆発注ミスの原因7つ
- 単位違い
- ケタ間違い
- 未発注
- 商品違い
- 発注時間オーバー
- 発注日違い
- 送信エラー
◆発注ミスの対策は2つだけ
- 十分な発注時間を確保する
- 必ずリストで発注見直しをする
発注の時間を十分確保できないと、悪循環になり自分で自分の発注時間を奪うことになります。
いかに質のいい発注時間を確保できるかが、発注の良し悪しを決めてしまいます。
今回は以上です。
読めば読むほど、「この仕事は自分にあわないな…」と感じた方は下記の記事をどうぞ。