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「お買物混雑マップ」のメリット・デメリットを戦略にいかす!

スーパーの活用

感染対策に「お買物混雑マップ」が便利と聞きました。使い方と私たちにどんなメリットデメリットがありますか?知りたいです。

スーパーで働いてます。小売店側の「お買物混雑マップ」活用法があれば知りたいです。

こんな疑問にお答えします。

 

◆本記事の内容

【コロナ感染対策】

  • 「お買物混雑マップ」とは?
  • 「お買物混雑マップ」利用者のメリット・デメリット
  • 「お買物混雑マップ」小売店のメリット・デメリット
 

◆本記事の信頼性

この記事を書いている私は、大手スーパー勤務歴25年、管理職歴(副店長・店長)は5年です。現場経験の立場から本記事をわかりやすく解説します。

 

今回は、【感染対策】お買物混雑マップのメリット・デメリットを解説していきます。

スーパーに25年勤務した経験から感じたことを書いていきます。

そして、本記事を読み終えると、お買物混雑マップの使い方と活用法がわかります。

 

お買物混雑マップって使えるの?・・・と思っている方は、最後まで読んでみてください。

 

 

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「お買物混雑マップ」とは?

 

株式会社unerryは、全国約2万8000店ものスーパーやドラッグストア等のお店周辺について、曜日・時間帯別混雑傾向が調べられる無料サイト「お買物混雑マップ Powered by Beacon Bank(以下、お買物混雑マップ)」を公開しました。

出典元:PR TIMES 株式会社unerry 「プレリリースファイル」

 

現在、スマートフォンアプリ「グノシー」へデータ提供を開始。アプリ内で無料使用できます。

 

「お買物混雑マップ」の特徴

 

日用品のお買物時に、スーパーやドラッグストア等のお店周辺の曜日別、時間帯別の混雑状況傾向を調べられることを目的としています。

 

【混雑マップの特徴は3つ】

  1. お店近辺の混雑状況がわかる
  2. 混雑の基準は店舗エリアごとに設定されている
  3. 店舗の営業の有無、時間は考慮されていない

 

ひとつずつ解説します。

 

1. お店近辺の混雑状況がわかる

 

スマートフォンの位置情報(GPS)を元に、お店周辺約100mの混雑状況をAI解析して「色」で利用者に教えてくれます。

 

出典元:PR TIMES 株式会社unerry 「プレリリースファイル」

 

【表示時間】

8:00~22:00 1時間毎に表示

 

【混雑状況を3段階で表示】 

  • 「いつもより空いている」  
  • 「通常程度」        
  • 「通常より混雑」         

 

【検索対象店舗】

  • スーパー
  • ディスカウント
  • ホームセンター
  • ドラッグストア

 

2. 混雑の基準は店舗エリアごとに設定

 

直近4週の中で最も混雑している1時間あたりの人数を100%の基準としています。

時間ごとに「いつもより空いてる」、「通常程度」、「通常より混雑」に分類。

混雑具合は店内だけでなく、店舗周辺の混雑状況も考慮されているため、入場制限などの状況も把握できるとしています。

掲載店舗エリア数は28367件(5月7日時点)

 

3. 【注意】店舗の営業の有無、時間は考慮されていない

 

注意すべき点として、店舗ごとの営業変更の状況までは考慮されていません。

店舗周辺の混雑状況も加味しているため、営業時間外であっても表示されてしまいます。

 

「お買物混雑マップ」の使い方

出典元:近所の小売店周辺の混雑状況・傾向検索機能-グノシー

上記画面は、
「グノシー」パソコン版検索画面です。

 

出典元:PR TIMES 株式会社unerry 「プレリリースファイル」

こちらは、
「unerry」スマートフォン版検索画面 

 

【検索手順】

  1. お買物混雑マップ Powered by Beacon Bankへアクセス
  2. 検索窓に「店舗名」または「住所の一部」を入力 ※グノシー版は郵便番号検索も可
  3. 地名が入った店舗リストが表示される
  4. 画面下に「スーパー」「ディスカウント」「ホームセンター」「ドラッグストア」4つのリストをタップすることでアイコンの表示・非表示ができる

 

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「お買物混雑マップ」のメリット

 

消費者の利用メリットと小売店側からのメリットを解説します。

 

前提として、この混雑マップがリリースされたも目的は、買物へ行く曜日・時間帯の分散、密集、密接の回避、感染拡大を抑止することです。

そして、買物による「3密」を避ける行動を促すためです。

 

消費者側のメリット

 

  • 近所の混雑具合を事前にチェック
  • 空いてる時間と店にシフトできる
  • 1日のスケジュールを無駄なく組み立てられる

いまのところ、これくらいですかね。

 

必ずしも普段自分が使っている店がリストにあるわけではないので、事前に地元を検索してチェックしてみてください。

 

何店舗か買物をはしごする時、どの店から行くか順番を決めるのもアリ。

1日のスケジュールを決める時、どのタイミングで買物をするかの参考にもなります。

例えば、用事を済ませてから買物をして帰宅するか、先に買い物を済ませてから用事に行くかを選択できます。

 

小売店側のメリット

 

次に、小売店側のメリットを解説します。

 

  • 競合店の調査としても使える
  • 他店の混み具合が色でわかる
  • 他店の強い時間帯、弱い時間帯の分析
  • 競合対策の戦略にも使えそう

上記、4つですね。

 

業界関係者にしてみれば、都合のいいマップですね。

周辺の混雑事情も加味されてるとはいえ、この混雑マップはライバル店の曜日別、時間帯別の混雑状況がわかってしまうからです。

これは自店の強み弱み、他店の強み弱みを考える指標になります。

 

グラフでわかる店の特徴

 

都内駅前ビルの中にあるドラッグストア

都内駅前にあるドラッグストア

都内駅前にある百貨店

出典元:unerry お買物混雑マップPowered by Beacon Bank

 

代表的なグラフ例を3つお見せします。

 

上の3つのグラフは都内の同じ駅にある店舗を3つ検索しました。

上から、駅前ビルの中にあるドラッグストア、2番めが駅前にあるドラッグストア、最後が駅前の百貨店です。

それぞれ特徴がよくでています。

実は検索する前から、立地条件でこういう結果になるのは予想できたので、ピンポイントで検索したら予想通りの結果になりました。

 

駅前ビルにあるドラッグストアは、一般客ではなくそのビルで働く人が主に使っているので、休み時間に混雑し、それ以外は落ち着いていますね。土日も会社は休みなので利用客がグンと減ってるのがわかります。

一方、駅前のドラッグストアは同じ駅の同じ系列の店なのに、一日中どの時間帯も混雑してますね。この状況だと、混雑を避ける時間帯を見つけるのは難しそうです。

最後の駅前の百貨店はわかりやすいですね。

夕方5時から混み合って来てますから、ちょうど仕事帰りの時間帯ですね。夜8時くらいまで毎日きれいにそろってます。

 

このように同じ駅前でも立地条件や業態によって混雑する時間帯や曜日がはっきり変わります。

地図上に出てくる店をタッチするだけで、グラフが瞬時に表示されますから、一般利用客だけでなく小売店側の戦略として利用する価値は十分あります。

 

戦略としての使い方

 

使い方としては2つあります。

 

ひとつめは、

最近、水曜日の売上が落ちているという場合。

ライバル店を検索してみると、特に通常と変わらない表示。気になって他の店も検索してみると、意外な店が混雑していることを知ります。

影響なんて考えていなかったあの店のせいだったことが判明。

ライバル店の選定と水曜日の戦略を考えるきっかけになります。

 

ふたつめは、

客数が前年対比で5%くらい落ちている場合。

調べてみると、どうやら日曜の午前中の落ち込みが大きい。

どこの店に食われているのか?

そんな時に、混雑マップで近隣店のリサーチをすればどこの店、あるいはどこの地区に客が流れているか調べることができます。

 

全く原因のわからなかったことが、このマップで解決の糸口がつかめるかもしれません。

 

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「お買物混雑マップ」のデメリット

 

まだリリースされたばかりなので、これから改善されていくと思います。

一応、デメリットも書いておきます。

 

消費者側のデメリット

 

  • 「通常より」の通常がイメージしにくい
  • そもそも混雑で店を選んでいない
  • 検索エリアが大都市向き

順番に解説します。

 

「通常より」の通常がイメージしにくい

 

このマップは、「通常」を基準に混雑状況を表示します。

つまり、その店の「通常」がどんなものか知らなければ、たとえ赤でなくても、あなたにとって混雑していると感じてしまいます。

 

例えば、初めていく店を事前にチェックし、スケジュールを調整して空いてる時間に買い物に行ったとします。店に入ったあなたは、あまりの人の多さにびっくり、レジも長蛇の列。周りの人に聞いてみたら、「いつもこんな感じですよ」とあっさり。

これがその店の「通常」だったんですね。色に惑わされてはいけないということです。

 

もちろん、この逆もありますね。

 

そもそも混雑で店を選んでいない

 

混雑がわかったとしても、行動はなかなか変えられないということです。

 

個人の生活スタイルは変わらないですし、趣味、嗜好も変わりません。

たとえ混雑がわかったとしても、時間をずらしたり、日にちを変えたり、店を変えるなんてことは実際ほとんどの人がしないだろうと思います。

仕事の帰りに買物となると、時間は変えられませんからね。

 

コンビニやドラッグストアならそんなに違いはないですが、スーパーは企業によって全然品ぞろえも鮮度も値段も違います。同じ系列店でさえ違ってますので、自分のひいきにいている店を混雑しているからといって変更することはないはずです。

 

私の経験では、混雑して毎日のように行列ができた店でも、みなさん承知の上で来店されてました。

むしろ、行列ができるくらい支持されているんだとなって、さらに客数は増えていったんです。

 

行列ができるラーメン屋とそうでないラーメン屋、どっちに入るかの話しと同じです。やっぱり行列ができるラーメン屋に入りますよね。

行列ができるから、行列ができるという好循環の原理です。

 

検索エリアが大都市向き

 

地方の人口の少ない街、地方路線の駅は検索結果が少なく、ゼロの場合もあります。

東京都内であっても、路線、駅によってだいぶ差があります。

 

実際、私が検索した結果があります。

  • 新宿   230店以上
  • 渋谷   140店以上
  • 中野   100店以上
  • 吉祥寺  35店以上
  • 下北沢  11店
  • 大宮   80店以上 

     <6月1日現在>

 

なんとなく傾向がわかりますね。

 

都市の大きさ、人口、路線、駅の大きさもありますが、人気の駅であっても、個人のお店が多く、チェーンストアの少ない街は、検索結果が少ないですね。

 

このあたりは、今後さらに登録件数が増えていくと期待してます。

 

小売店側のデメリット

 

最後に小売店側のデメリットを見ていきましょう。

 

2つあります。

  • さらなる混雑を生む可能性
  • 思わぬ時間帯、曜日の混雑と対応

上記の通りです。

 

ひとつずつ解説します。

 

さらなる混雑を生む可能性

 

先程も触れたように、赤色だからといって自分が思っていたような混雑ではないかもしれないし、青だとしてもレジが行列はありえます。

それが通常だからです。

 

でも、利用者側の心理を想像すると

  • 混雑していることに興味をもつ
  • なんでそんなにみんな行くの?
  • そんなにいい店なの?
  • 行ってみようかな?

こんな感じでしょうか。

 

先程の行列ができるラーメン屋と同じ心理です。これによって、混雑している店はさらに客数が増え、暇な店はもっと暇になるかもしれません。

 

店舗の売上格差が大きくなるといってもいいですね。

 

思わぬ時間帯、曜日の混雑と対応

 

思わぬ混雑がいつ起こるかわからないということです。

三密回避のため利用者へ案内した混雑状況しだいで、思わぬ混雑を招いてしまうからです。

 

何曜日のどの時間帯なのか。

時間帯によっては、人員が手薄な場合もありサービスレベルの低下も考えられます。

商品供給、レジ対応のため、シフトの見直しが必要になってくるかもしれません。

 

思わぬ情報によって、人の行動も思わぬ方向へ動きます。

 

こればかりは、読めません。

 

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まとめ:まずは使ってみよう!

 

いかがだったでしょう。

今回は、お買物混雑マップ」のメリット・デメリット、そして戦略としての活用法をご紹介しました。

 

メリット、デメリットありますが、とりあえず使ってみよう!ということです。

使えば表示の傾向もわかりますし、対策も打てますからね。

 

同じ赤でも、こっちの店とあっちの店では、赤の意味合いが違うことだけ頭に入れておいて下さい。

 

今回は以上です。

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